雑記

外国語学習について書かれている本を紹介します【ブックレビュー】

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語学の勉強があまり好きではないとはいえ、英語を習得したいという気持ちは強かったので外国語学習に関連する本はたくさん読んでいます。

本記事ではその中から6冊を取り上げ、それぞれ実践されている学習法を比較したり自分の経験をもとに考察などしていきます。

他人の外国語学習法を知ることには以下のようなメリットがあります。

・外国語を習得するプロセスがわかる

・語学を勉強するモチベーションがあがる

・自分にあっている学習方法を取り入れることができる

性格や年齢やおかれている環境などにより、外国語を習得するプロセスは違ってきます。10人いれば10種類のプロセスがあり、そのなかで様々な勉強方法が実践されているはずです。

なかには「自分には絶対無理だ」というものもあれば

「本当にこんなやり方で出来るようになったの?」と疑問におもうようなところもあったりしますが、大事なことは自分にむいていて効果のありそうな方法をピックアップしていくことです。そのまま取り入れるのではなく、自分で多少のアレンジを加えたりするのもありでしょう。

そして自分にはできないとかオカシイと思うやり方についてはサクッとスルーすればOKですよ。

わたしの外国語学習法 ロンブ・カトー著


わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

出版されたのが1972年ということもあり内容は現代の学習者むきとはいえませんが、とても重要なことをいっている部分があるので抜粋しておきます。

文法とは、体系です。

全身全霊を打ち込んである言語の文法を身につけた者、文法事項の暗記という難行を通過した者は、体系化され得る知識のあらゆる分野において体系化する能力を身につけたことになります。

おそらく多言語を学んでいる人の多くがこのような感覚を持っているんだろうと思います。よく英語を習得したひとは他の外国語のマスターが早いと言われていますよね。

これは「ある言語(英語)の文法を身につけた者」は他の外国語の文法も簡単に体系化してものにするコツを知っているからといえるでしょう。

この事実を知ると、「文法事項の暗記という難行を通過」してみたいなぁという気になりませんか。(できるかどうかはともかく…)

そして文法=体系と考えれば、枝葉のこまかい文法用語などより一つの大きなコンセプトとして文法をとらえる事がいかに大切かわかります。

獄中記  佐藤 優 著


獄中記 (岩波現代文庫)

タイトルで明らかだと思いますが、これは外国語学習についての本ではありません。著者の佐藤 優氏は元外交官で2002年に背任容疑で逮捕され、512日間勾留されました。

その間にノートに書きためた日記、友人や弁護人への手紙などをまとめた内容になっています。

日記の中でラテン語、ドイツ語、ロシア語などを勉強している記述があります。

というのも佐藤氏は同志社大学神学部の出身で、神学という学問は語学のウェイトがかなり高いらしいです。

若い頃に英語だけではなく、ドイツ語やギリシャ語など多言語を勉強していたんですね。外交官になってからはロシア担当でドイツ語やラテン語などからは離れていたのですが、逮捕されて時間ができたため再勉強を始めたということです。

例えばドイツ語については下記のような感じ

辞書を通読し、神学・哲学用語についてノートに書き出して単語集にする

文法のテキストに取り組み、要点をA4メモ249枚にまとめる

大学院受験用の独文解釈問題集も消化する

拘置所で生活していて、取り調べの時間以外を読書と勉強に使える状況ですから普通の社会人にはとうていマネできることではないです。

それでも語学が本当にできる人というのは、「英語がなかなかできるようにならない」と悩んでいる人がやっている勉強内容をかるく超越したことをしているのがよくわかりますね。

そして勉強している時にあまり考え込まず、淡々と問題集などをこなしていくのも特徴かもしれません。

自壊する帝国 佐藤 優 著


自壊する帝国 (新潮文庫)

獄中記と同じ佐藤 優氏による回想記です。

外務省に採用されてからイギリス、ソビエト(ロシア)で語学研修を受け、モスクワにある日本大使館で7年8ヶ月を過ごした期間の記録になります。

この本で外国語学習について書かれているのはイギリスでの研修の部分だけです。

佐藤氏が外務省から送りこまれた学校はイギリスの陸軍語学学校でした。

世界中の外交官が学んでいるこの学校には英語、ロシア語、アラビア語、スペイン語などのコースがあったらしいです。

政府から派遣されている人が勉強する学校なので、当然ながら勉強はかなりハード。

1日25から30個の単語と5から7のフレーズを暗記しなければならない。午前8時から正午までが文法の授業、午後1時から4時までが会話、その後、こなすのに4,5時間はかかる宿題が毎日でる。週に1回単語テスト、月に1回文法、解釈、作文のテストがあり百点満点で80点以下を2回取ると退学になる。 自壊する帝国より引用

一般の語学学校とはかなり違いますよね。こんなカリキュラムを提供する学校がもしあっても好んで留学する人はあまりいないかもしれませんね…

フィンランド語は猫の言葉 稲垣 美晴 著


フィンランド語は猫の言葉

こちらは留学記です。先に紹介した本とはガラッと変わり楽しく語学を学習している様子が書かれています。

著者はフィンランド語を全く知らない状態で2ヶ月の外国語人向けサマーコースをヘルシンキで受講した後、約3年弱ヘルシンキ大学の「フィンランド語と文化」という科に留学しました。

留学した1976年に日本語で書かれたフィンランド語の参考書が知る限り1冊しかなく、苦労したようです。2019年現在だと10数冊の参考書や問題集が検索でヒットします。まだ少ないですし、初級レベルの本ばかりなので日本での独学は難しそうですね。

フィンランド語には格が15あるとか単語がいちいち長いとか説明を読んでもピンとはこなかったですが、とにかく習得がかなり難しい言語とのこと。

しかし著者いわく

怠け者のくせに、複雑でややこしいことが大好きという天の邪鬼だから私はフィンランドの文法を勉強をするのが楽しくてしかたがしようがない。が、もっと楽しいことがある。それは、その複雑な文法を使って自分を表現することだ フィンランド語は猫の言葉より引用

作文の授業で創作ストーリーを書いて添削してもらうことを楽しみ、フィンランド語で書く作家になろうかなと思うほどだったというのが印象的です。

普通、語学の勉強で最も大変なのが書くことだと思います。わたしもアメリカ留学時にたくさん英文でレポートを書きましたが最後まで苦しみました。1行書いては「はぁーっ」とため息をつき、コーヒーを入れたりテレビをチラ見したりしてなかなか進まなかったです。

英語よりかなり複雑そうなフィンランド語で書くことをこんなにも楽しめた著者がうらやましいです。

脳が認める外国語学習法 ガブリエル・ワイナー著


脳が認める外国語勉強法

今回紹介する本のなかではいちばん新しいものになります。そして個人的にはあんまり参考にはならなかった内容でした。

著者は多言語学習者で本業はオペラ歌手。ドイツ語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ハンガリー語、スペイン語に加えて日本語まで勉強しています。

この本の序文に

「本書で紹介されている学習法の特徴を一言でいうならば、努力をしないという1点に尽きる」ということが書かれていて、この時点でうーん…と思いました。

タイトルにもありますが「脳科学」をちらつかせて楽しく効果的に語学をマスターできることを全編通して繰り返し主張しているなぁという印象です。

著者はAnkiというフラッシュカード型式のアプリを使っての学習をメインで提唱しています。このAnkiというツールがわたしにはむいていませんでした。

Ankiは優れたツールではあるものの、わたしのような怠け者タイプにはむいていません。著者は文法書や単語集から自分で問題をAnkiで作成することをすすめています。

自分で問題を作成し、カード化するのがとにかく楽しい!というのが著者の主張ですがわたしにとっては面倒で時間がかかるタスクとしか思えませんでした。

文法書の例文から穴埋め問題を自分で作成したり、単語集から知らない単語をピックアップし、単語の意味にあったイメージ画像と発音された音声をダウンロードして…という作業を苦もなくできるひとならいいのかもしれませんね。

わたしが英単語学習法についての記事でPSSをオススメしているのは、これらの作業をせずに既成の単語集をサクッと勉強できるからです。

北京大学てなもんや留学記 谷崎 光 著


北京大学てなもんや留学記

これも留学記です。著者は中国の大学にはじめの1年半は語学留学し、その後1年半を正規の授業を中国人と受けられるレベルまで中国語のレベルを引き上げました。

この本の第五章「さまよえる中国語学習者に捧ぐ」に語学学習に有益なエッセンスがつまっています。

外国語を勉強しているときは色々と迷ってしまうことが多いですよね。学習法だけでなく「語学はこう勉強するべき」という通説にもふりまわされがちです。

例をひとつだけあげると

「英語学習は1日10分でも15分でもコツコツと継続することが大事」ってよく聞きませんか?

著者はこういった通説を「迷信」と定義して、その迷信が語学習得のじゃまになっているといっています。

実際にはあるていどの時間(最低でも週に12から15時間ぐらい)集中して勉強し、基礎を固めたうえで10分や15分の学習を継続するのが正しいとのこと。

たとえば今、中国語力ゼロのふつうの人が、1日15分の勉強を10年積み重ねても片言ぐらいはできても、まず「話せる」ようにはならない。ガーン。 北京大学てなもんや留学記より引用

これは真実です。語学の学習をスタートしても毎日チマチマ10分ぐらい学習アプリをやったりするぐらいでは1年後も入門レベルでしょう。

最後に学習法の参考になるサイトを紹介します

シンガポールより!外国語大好きおじさんのブログ

https://uncle-polyglot.hatenablog.com/archive/2008

特に2008年のフランス語を独学している記事がすごいです。働きながらここまで勉強できるなんてスゴイです。勉強方法も色々と創意工夫していて興味深いものばかり。

 

英語上達完全マップ

http://mutuno.o.oo7.jp/

有名すぎるサイトですが、もしかして知らない人がいたら一度みてくださいね。

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