英語の勉強をしたいけど面白くなくて続かない。
そういう人たちに自分が好きな海外ドラマを使った勉強法を強くオススメしています。
ところが英語初心者の場合、ドラマの英語のセリフを日本語字幕を参考にしながら理解するのが割と大変だったりしますよね。
英語のセリフと日本語字幕のギャップがあまりにも大きいんですよね。仮に大好きなドラマがあって、スクリプト(脚本)を入手して勉強をスタートしても英語のセリフがなぜ日本語字幕のような解釈になるかわからない、という問題が発生します。
もしあなたが中学高校レベルの英文法がまだ出来ていない初心者だったとしたら有名なシットコムドラマの「フルハウス」がいいと思います。
すでに色んな人が「フルハウス」は紹介しているので今さら感がありますが💧
少なくとも「フルハウス」と並んでよく紹介される「フレンズ」よりずっと英語の勉強に向いていると断言します!
観客の笑い声(フェイク)がちょっとうざいのと、制作されたのが30年ぐらい前なので全体的に古い印象は否めないですが、そういった欠点を上回るメリットもありますよ。
※現在アマゾンプライムでの視聴にはレンタル料金がかかります。Netflix(月額料金が必要)では全エピソードが配信されています。
「フルハウス」が初心者向けである理由は3つ
1.ファミリー向けのドラマのため、話の内容がシンプルで汚い言葉がほぼ使われていない。特に小さい子供に話すときは基本に忠実な、文法的にも正しい表現をしている。
2.赤ちゃんが少しずつ話せるようになる過程をみることができる
3.1エピソードが30分弱なのでスキマ時間に気軽に視聴できる
特に2番めにあげた「全く話せなかった赤ちゃんがペラペラ話すようになるまで」を垣間見ることは、他のドラマではなかなか経験できないものといえるでしょう。このドラマの人気の中心であったミシェルはシーズン1放映時に8ヶ月の赤ちゃんでした。
”ばぶばぶ”いってたミシェルが最終シーズンの8歳に成長するまで、少しずつ言葉を覚えていき、最後には流暢に話せるようになっています。ネイティブスピーカーなので当たり前だろと言われればそうなんですが、段階的に言葉を覚えていくようすはなかなか興味深い。
またミシェルが超絶かわいいんですよ!放映されていた1990年代「フルハウス」のファンは、ミシェルが片言を話したり、大人がよく使うフレーズを真似したりするのを目を細めてデレデレしながら眺めていたものです。
Netflix 可愛すぎるミシェル
そして子供にスポットがあたっているとはいえ、大人の視聴者も楽しめるようなストーリー構成になっています。
子供向けのアニメや「おかあさんといっしょ」のような内容だと大人にとって退屈になってしまいますが「フルハウス」は家族で楽しく鑑賞できるように大人の男女関係や仕事などもストーリーの中に組み込まれています。
通常、海外ドラマを使った勉強法ではまず英語のスクリプト(脚本)を読んで理解していくことから始めます。別記事で詳しく解説してますのでお時間のある方はぜひ読んでみてくださいね。
初心者が「フルハウス」で勉強するコツ
いきなりですが残念なおしらせ:「フルハウス」は全てのエピソードのスクリプトがない
たいていのメジャーなドラマのスクリプトはネット検索すれば全エピソードあるんですが、「フルハウス」は現時点で(2020年6月)半分強ぐらいのスクリプトしかないようです。
とはいえ8シーズン192エピソードもあるので、全てを勉強に使わなくてもスクリプトがあるエピソードのみで問題ないと思います。
「全部のエピソードをどうしてもやり通したい!」という情熱を持つ人なら
NetflixやDVDなら英語字幕を表示させることができますよ。でも最悪スクリプトや英語字幕なしでも大丈夫です。
「フルハウス」のストーリーは複雑さというものがまるでなく、単純でベタな内容なのでなんとなく視聴していてもそれなりに意味は取れると思います。
とはいえ大人同士の会話はやはりマシンガントークとなり、聞き取りにくかったりもするしウィットのきいたジョークなども入ってくるので普通のドラマとかわりありません。
なので、割り切ってミシェルとステファニーのセリフに重点をおいてリスニングすることをオススメします。
この2人の英語は初心者でも聞き取りやすいはず。
ミシェルはシーズン1から2にかけてはほとんど話しませんが、シーズン2のエピソード7では自分が好きな「クッキー」を嬉しそうに何度も言ったりしています。
この段階で、同居している叔父のジェシーや父親が話しかけている言葉をどのくらい理解できているかは謎ですが、きらきらした目でニコニコしてて可愛いんですよ。
まぁ、ミシェルの神がかった可愛さを眺めているだけでもいいっ…(≧▽≦)とほっこりしつつシーズン3に突入してもいいでしょう。
Netflix ミシェルとステファニー
ミシェルはシーズン3でようやくシンプルな文を話し始めます。
Season 3 Episode 063 * Those Better Not Be The Days
Michelle: I want my ouce-cream.
DJ: You want your ice-cream
Michelle: That's what said, don't you listen ?
FULL HOUSE FOREVERより引用
ミシェルがアイスクリーム欲しい、と言っていますが「アイス」をちゃんと発音出来ていません(^_^;)「オウスクリーム」になってます。
姉のDJが「アイスクリームが欲しいんでしょ」と確認すると、
「そういったでしょ、聞いてなかったの?」と言い返していますね。
ミシェルのセリフ That’s what said は正しくは That’s what I saidですかね。don’t you listen?はdidn’t you listen?の方がしっくりきますね。
まだ「アイス」の発音もおぼつかないのに文章はなかなかのもんです。
Michelle old: Oh, I'm not in the mood for breakfast, have any ouce cream ?
All except Michelle old: It's ice-cream!
Joey old: And I ate the last gallon this morning.
Michelle old: Oh nuts!
ミシェル「朝食っていう気分じゃないわ、オウスクリームある?」
ミシェル以外「アイスクリームだってば!」
ジョーイ「残ってたぶんは今朝食べてしまったよ」
ミシェル「ちぇっ!」
I’m not in the mood for breakfast.→朝食という気分ではない、というオシャレな言い回しができるのにアイスクリームをオウスクリームと発音してしまうミシェル…
一方でステファニーはシーズン1で既に5歳になっていましたから、全シーズンを通してペラペラと早口で話してはいるのですが、やはり子供。基本的な文で省略せず表現することが多いです。
Season1 Episode 009 * Our Very First Promo
DJ: (sleepy) Stephanie, did you make that noise?
Stephanie: Why would I make a noise that's scaring me to death? Can I sleep with you in your bed?
DJ: Alright, come on over.
Stephanie: Does this mean you believe me about the monster?
DJ: I'm not saying yes, and I'm not saying no. I'm just saying get over here.
Stephanie: What if he's under the bed waiting to eat my feet?
モンスターを怖がっているDJとステファニー姉妹が物音を聞いてビビってる会話です。ステファニーのセリフに注目してみましょう。
物音はあんたのせい?とDJに聞かれたステファニーが
Why would I make a noise that's scaring me to death? なんで死ぬほど恐ろしい音をわたしがたてるっていうの?
と返しています。
そしてDJがとにかくこっちに(私のベッドに)来なさい、と言ったのに対してステファニーは
What if he's under the bed waiting to eat my feet? もし彼(モンスター)がベッドの下でわたしの足を食べようと待っていたら?
という疑問を口にします。
中学高校レベルの英文法の基礎ができていれば問題なく理解できる文ですが、自分がこういう英文を口に出せるかと言うと難しく感じるはずです。
仮定法とか関係代名詞とかサラッと使われていますねー😁
英語初心者の人が英文法を勉強しつつ、「フルハウス」のミシェルやステファニーの話す英語に重点をおいて視聴すると相乗効果があると思います。
あるていど視聴して慣れてきたら、オンライン英会話を受講してミシェルやステファニーが話していたフレーズを使ってみたりするのもいいでしょう。
わたしはアメリカ留学直前に、NHK教育で放映されていた「フルハウス」を視聴していました。当時はドラマで英語学習なんて概念もない時代でしたけど、ロクに英語が話せない状態で渡米することに不安だったので、少しでもリスニング力をあげておこうと思ったんですよね。
中学高校時代にリスニングやスピーキングの授業なんてなかったですから、ネイティブスピーカーの英語にそもそも馴染みがありませんでした。
がっつりとスクリプトや英語字幕を読みながら勉強したわけではなく、ただ視聴していただけです。
それでもミシェルの片言やステファニーの話すフレーズは不思議と耳に入ってきました。そしてアメリカに行き、ホームステイ先で「フルハウス」で覚えたフレーズを使ったことを覚えています。
ということで、英語が話せない初心者向けのドラマとして最適な「フルハウス」の紹介でした。