英語を頑張ってみようと何度かトライはしたけれど、結局は続かない。
途中でブランクありつつも断続的に勉強しているけれど、なかなか実力アップにつながらず嫌になってしまう。
高額の費用を払ってでも、やっぱりマンツーマンで英語コーチについてもらうとかプライベートレッスンとか考えなきゃいけないのかな…
本記事ではそんな悩みを持つ人にむけて、独学でも挫折しない3つのステップを解説していきます。
もちろん時間とお金に余裕のある人だったら、プライベートレッスンや英語コーチをつけて強制力のある学習をするのもひとつの手だとは思います。
しかし原則としては最小限の出費(教材や試験料)での独学であったとしても、挫折せずに英語力を上げていくことは可能です。
1. まずは小さな成功体験をゲットする
初めは1日のノルマはゆるーく設定して達成しやすくしましょう。
単語暗記なら1日50個ぐらいは覚えられると思ったとしても、その半分の25個で設定するといいですよ。
毎日「今日もノルマを達成できた」という小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
脳科学でも小さな成功体験がドーパミン(やる気や快楽)を増やすといわれています。
たとえば筋トレなんかも同じで、いきなりスクワットを1日100回!という感じで目標をたてると挫折→自己嫌悪という負のスパイラルにはまりやすいですよね。
1日10回ぐらいからスタートし、「よし、今日もできた」と喜びつつ徐々にノルマを増やしていくと継続しやすくなります。そして効果も実感できるようになりますよ。
2. 問題集や参考書を回転させる喜びを知る
問題集などに取り組むときは1回やるだけで終わらせないようにしましょう。必ず3回から5回繰り返し「回転させる」ことが重要です。
2回目、3回目と回数を重ねるごとに、やり終えるまでのスピードが上がって楽しくなってくるはず。
最初によく理解できなかった部分が回数を重ねるごとにわかるようになってくるのもウレシイ。
注意事項:英語については教材がたくさんあり、新しいものがどんどん発売されています。
そのためついつい色んな教材に目移りして試したくなる…という可能性が高いです。
かつての私もそうでした。ある文法問題集をやり始めてから途中で
「やっぱり使い勝手がよくないなぁ。解説もいまいちだし、もっといいのがあるかも」とアマゾンで検索をはじめたり。
そして問題集を少しやっては投げ出してしまうという最悪のサイクルにはまってしまいます。
どんな参考書や問題集も完璧なものはありません。解説も著者によっては「仮定法のところはわかりやすかったのに分詞構文についての説明がゼンゼン意味不明」というようなパターンもあります。(経験談)
とはいえいったんこれと決めたらとにかく完走してしまいましょう。色々な教材をつまみ食いしては放り出すより、ひとつのものを多少の欠点はあってもやり遂げることが重要です。
3.実力を試す機会を持つ
単語暗記や文法のドリルばかりやっていても面白くないので英検などのテストで腕試ししてみましょう。
本当はTOEFLやIELTSといった試験の方が内容が濃くてオススメなんですが、なんせ高すぎます。(2万5千円ぐらい)
腕試しに気軽に受験できる値段ではないですよね。
英検だと1級以外はリーズナブルな受験料です。もちろんTOEICでもいいと思います。
それ以外にも英語で小説を読んでみる、ドラマを英語字幕で視聴してみる、オンライン英会話で英語で話すなど「英語でなにかをする」体験をしてみましょう。
これをいうと「初心者が小説を読んだりドラマを英語で視聴するのは難しい」という声があがるのはわかっているんですが…
確かに初心者レベルの人にとっては簡単なことではありません。
それでも、あえてオススメする理由があるんです。
外国語習得の達人の学び方が参考になります
別の記事でも紹介したことがあるのですが、ハンガリー人のロンブ・カトー氏は16ヶ国語をマスターしている外国語学習のプロです。16ヶ国語を実務レベルで使いこなせます。
彼女の外国語学習法は、まずしっかりとした辞書を購入して記載されている単語をながめ、「観察」して読み方のルールを分析します。
次に練習問題に解答がついている教科書に取り組みます。
そして並行して小説を読み始めるんですよ。
教科書を相手にするのは、かなり退屈なこと、よくいう平均以下の娯楽ってやつですから、最初の最初から戯曲や短編小説を読みにかかります。…さて、こうして文体の上でも内容の上でも万人に開かれたものに、ためらうことなく取りかかるのです。<まったくわからない>から<半分は理解できる>を通って<完全にわかる>までの道程は、大人にとってはこころ騒ぐ、面白い旅路でありその精神的成熟度に十分見合うものです。
「わたしの外国語学習法」 by ロンブ・カトー より引用
ほかにも例えば作家の村上春樹さんは欧米の小説やノンフィクションの翻訳をたくさんしていますが、英語はもともと得意ではなかったそうです。
それでも15才ぐらいから古本屋でみつけたペーパーバックを辞書をひきながら読む習慣があったとか。
海外の小説を原書で読みたいという情熱にまかせて何冊もゴリゴリ読んでいたら楽しくなったいうことです。
このエピソードでもわかるように、英語力が上級レベルでなければ洋書に手をつけてはいけないなんてルールはありません。
15才といえば中学英語を終えたレベルの英語力だと思いますが、それでもネイティブスピーカーが読む洋書を楽しめるなんて素敵だと思いませんか?
決して村上春樹さんが語学の天才少年だったわけではありません。(作家になるくらいなので言語センスは高かったのでしょうが…)
わからないところは飛ばしつつ、辞書をひきつつ英語で小説を読みたいという好奇心だけで突き進んだだけなんです。
とにかく外国語を独学でサラッと習得している人たちに共通しているのは、初級や中級レベルであっても恐れることなくネイティブ向けの原書や新聞、ニュース、映画などに取り組むというところです。
とうぜん最初は全てをクリアには理解できていないはずですが、かまわずドンドン挑戦していくんです。
つまりロンブ・カトー氏がいっている<まったくわからない>から<半分は理解できる>を通って<完全にわかる>までの道のりをワクワクしながら楽しんでるということ。
これは大人の学習者だけがわかる醍醐味ではないでしょうか。
わたしが英語学習の記事で初心者でも自分が好きなドラマで勉強しましょうとか、英語で本を読むなら子供向けではなく大人向けにトライしましょうと主張している理由は、「わからない」ところから「だんだんわかる」そして「かなりわかる」地点まで到達する喜びを知ってほしいからです。
この喜びをいちど知ったら単語暗記や文法ドリルといった退屈な学習へのいらだちも吹っ飛びますよ。
まとめー英語学習に挫折しないために
1.1日の学習ノルマはゆるく、毎日達成して小さな成功体験を積み重ねましょう。
2. いちど決めた問題集や参考書はよほどの悪書でない限りは変更しない。1冊を何回転もさせてスピードをあげていきましょう。
3. 実力だめしにTOEICや英検を3ヶ月から6ヶ月ごとぐらいに受けてみる。そして英語で本を読んだりドラマを視聴するといったことにも恐れずにトライしていきましょう。最初は不明部分がたくさんあって当然なので気にしないでください。
注意してほしいのはステップ1,2,3はセットです。1と2だけだと面白くなくて嫌になりやすいですし、3だけではわからない部分を解決できる力がつきません。
かならずセットで実行して「英語で何かを理解し、楽しめる」ところに到達する道のりを辿っていってくださいね。