最近になって自分が好きなマンガやドラマが
「なにかを目指してがんばっている」
「なにかに打ちこんでいる」
主人公を描いたものが多いことに気がつきました。
残念ながらわたし自身はなにかを目指して頑張った経験がほとんどありません。
しいて言うならアメリカ留学中は落第しないように朝も夜も勉強づけの毎日を送っていましたが、「医者」や「アーティスト」や「スポーツ選手」になろうなんていう目標はもっていませんでした。
だから自分の好きなことをひたすら追求し、夢をおいかけることが出来る人生にあこがれがあるんです。
マンガやドラマ、映画でひたすら夢に向かってがんばったり挫折したり目標達成したりの人生を疑似体験したい方はぜひ、参考にして下さいね。
マンガ編
1. 3月のライオン
これはアニメ化、映画化もされたので知っている人も多いはず。
小さい頃に両親と妹を交通事故でなくして天涯孤独の少年が将棋にうちこんで名人への道を突き進む…という話です。主人公の桐山零のストイックな将棋への情熱にひきこまれました。
天才少年で15歳でプロになったという設定がおそらく羽生善治さんをモデルにしたのかと思われます。
1巻から5巻ぐらいまでは将棋がメインだったんですが、そのあとしばらく主人公がお世話になっている家族の
「学校でのイジメ問題」
「行方不明だった父親の問題」
などがストーリーの中心となってしまい少し肩すかしでした。
現在14巻まで発売中でまだ続いているようですが、個人的には主人公が将棋を極めるためにがんばる姿をもう少しみたいですね。
2.のだめカンタービレ
これもドラマや映画にもなったので知らない人はいないかもしれません。
音楽の素養がまったくなくてもオーケストラやピアノの演奏を聞きたくなってしまう。
今まで無関心だったクラッシック音楽に興味を持ち始めてしまう。そんな力を持ったストーリーです。
主人公「のだめ」は天才ですが、天才だとしてもがむしゃらに努力をして向上心を持たなければ、その才能はポシャってしまうということがよく描かれています。
コメディとしても秀悦で、読みながら何度となく爆笑しました。
のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))
3.動物のお医者さん
北海道大学の獣医学部に入学して獣医をめざしている学生が主人公の話です。
もふもふのシベリアンハスキー「チョビ」を飼っていて、このチョビの行動も犬好きにはたまらない可愛さです。大阪弁でしゃべる猫の「ミケ」もいいです。
進級試験や国家試験の前に学生同士が知恵をふりしぼって変なゴロ合わせで暗記していたりするのが面白い。そして主人公がお世話になっているゼミの教授がぶっとんでいます。
このマンガもところどころ吹き出す場面が満載です。
4. 舞姫 テレプシコーラ
バレエ好きのわたしですが、この作者の絵に少し抵抗があって前から知ってたけど最近まで読んでませんでした。
アマゾンレビューの評価がおおむね高かったので、それでは試しにと読み始めたら止まらなくなりました。
日本のバレエ界でトップに上りつめるのがいかに大変かがシビアに描かれています。
ちょっと子供には読ませたくないぐらい(でもたぶん読ませたほうがいい)シビアです。
主人公の六花(ゆき)は母親がバレエ教室を経営という裕福な家庭で育ち、恵まれた環境にいるんですがどうも性格が弱い。姉の千花は才能もあり、性格もストイックで強い。
この対象的な性格の姉妹が日々バレエのレッスンにあけくれています。そしてとんでもない事故や怪我や災難にみまわれてしまいます。
大きな壁にぶちあたり、挫折…バレエのようなひと握りの人しか成功できない世界ではあるある話ですね。
ただ大人なら何とかふんばれても、このマンガの主人公のようにまだ子供だと精神的に幼く傷つきやすいので、一歩間違うと最悪の事態を招くこともあります。
強い性格の千花がポキっと折れてしまうところまで追いつめられた原因を考えると悲しくて泣きそうになりました。
おケイコごとをがんばっているお子さんがいるお母さんたちにも、ぜひ読んでもらいたいです。
5.エースをねらえ
子供の頃にアニメでみてそれきりでした。
ある日テレビで松岡修造さんが
「テニスの試合に行く時はいつも全巻持っていってた」
とマンガのエースをねらえを絶賛していたのを見て、購入して読んでみました。
昔のマンガなので、どうしても
「男は女を守るもの」「男が女を育てる」
といった昭和の価値観が幅をきかせています。
そこさえ気にしなければスポ根ストーリーとしては王道です。
若くてハンサムな宗像コーチとひたむきに頑張るテニス初心者の女子高生、岡ひろみ。
初心者なのにあっという間に力をつけて世界的な選手に育っていくところが現実ばなれしています。この辺は夢物語という感じ。
それでもスポーツ選手としての心がまえや姿勢、練習への取り組み方などは成熟したアスリートになるために大いに参考になるのではないでしょうか。
エースをねらえ! 全10巻・全巻セット (ホーム社漫画文庫)
6.かくかくしかじか
漫画家の東村アキコさんの自伝的マンガです。
適当に絵を描いて楽しんでいた高校時代にとある絵画教室で強烈な先生(師匠)と出会い、きたえられて芸大へ入学。その後マンガ家になるまでのお話です。
わたしはセンチメンタルな雰囲気のドラマやマンガが苦手で、お涙頂戴の話でもめったなことで泣きませんがこれはこらえきれませんでした。
といってジメジメしたノスタルジーを前面にだしたストーリーではなく、基本的にはコミカルな雰囲気で、笑える場面も多いです。
「とにかく絵を描き続けること」
を生徒の体に叩き込むスパルタ先生は、ちょっと乱暴で不器用、子供っぽいところもあるけど人情味あふれています。
今の時代はこんな先生は世間から非難されてしまうでしょうね。
でもこの先生は、なにかを極めようとする時に人はとにかく色々考えたり悩んだりしすぎだということを教えてくれます。
「つべこべ言わずに、描け!」
というのがいちばん重要なんです。これは、絵だけではなく音楽でも英語でも一緒かなぁと思います。
ごちゃごちゃ考えているヒマなんてない、とにかくやればいい、人生を大事に使おうというメッセージとして受け止めました。
ドラマ、映画編
1.グレイズ・アナトミー
2005年に放送開始してから今も続く長寿ドラマです。
現在第15シーズンがWowowなどで放送されているようですね。
ちなみにアマゾンプライム会員ならシーズン13まで無料で視聴できます。
わたしはシーズン8まで日本のコンパクトDVDボックスを購入していましたが、それ以降はアマゾンUSAでシーズン14までDVDを購入しています。
ぶっちゃけ、このドラマは第5シーズンぐらいまでが面白かったです。主人公のメレディスや友人たちが外科医をめざしてインターンからスタートし、お互いライバルでありながらも助け合いつつ成長していくところが見どころでした。
未熟さゆえ間違った判断や処置を患者にしてしまったり、指導医とうまくいかなかったり雑用ばかりやらされたりと大変な毎日が描かれています。
シーズンが進んでメレディスは今では病院の外科医としてトップにのぼりつめ、部下の医者の卵たちを指導する立場です。
インターン視点としてのドラマは楽しかったのですが、指導者としての視点から描かれだしてから個人的にはあまりおもしろくなくなりました。
でも愛着があるので今でも視聴しています。
グレイズ・アナトミー シーズン1 コンパクトBOX [DVD]
2.ファースト・ポジション
これはドキュメンタリー映画で、
将来プロのバレエダンサーになりたい子どもたちの物語です。
バレエは野球やサッカーと同じく、プロとして活躍できるようになるのは飛び抜けた才能があるほんのひとにぎりという厳しい世界です。
この映画でスポットをあてられている子どもたちはみな一定以上の才能があり、バレエコンクールへの出場を果たしています。
バレエにひたむきな子どもたちもいいんですが、支えている家族(特に母親)の存在感がハンパありません。
なかには通常の学校へは行かずにホームスクール(通信教育)にして、バレエの練習時間をできるだけ長くとるようにしている女の子もいます。
それだけしても無事にプロになれるとは限らないのが残酷なところです。そのあたりのシビアな現実も最後の方でチラリとみせてくれます。
3.世界の果ての通学路
フランス発のドキュメンタリーです。
アフリカ、アルゼンチン、モロッコ、インドの僻地に暮らすこどもたちが将来はパイロットや医者になりたいという夢をかなえるため命がけで学校に通っている。
子どもたちがみんなキラキラした目をして毎日山をこえ谷をこえ何時間もの通学をしているのがステキです。
これは冒頭から度肝をぬかれましたね。
早朝、ケニアの兄妹が学校に行く前に長老っぽいひと(父親だと思う)がおもおもしく
「いいか、象の群れに気をつけるんだぞ」
なんて言ってるんですよ…象って…
この兄妹、ほっそりしていて陸上選手のようにしなやかな体つきなんですね。
教科書のはいったかばんを掛け、片手に水の入ったタンクを持って2時間も草原を小走りで学校へ向かうんです。
広大な草原ですが、2人ともスマホもコンパスも持っていないのによく迷わないで行けるもんだと感心しました。
途中キリンや象の群れに遭遇しつつも無事学校にたどりついた時には拍手かっさいしたね。しかしこれを小学生が毎日やってるって想像できません。
4.もののけ姫はこうして生まれた
ぶっちゃけジブリのアニメには何の興味もなかったんですが、宮崎駿というクリエイターのすざましい仕事っぷりをみたくてこの長編ドキュメンタリーをみました(約400分あります)
「海馬 脳は疲れない」で糸井重里が宮崎駿について朝9時から翌朝の4時までずっと仕事をしているという話をしています。(第4章 天才とはやりすぎる人?)
本当にすざましいです。
手にサロンパスをベタベタ貼りながら絵コンテを描いていたり、セル画の色彩についてスタッフと打ち合わせをしたりアフレコで俳優さんに演技指導したりとひとりで10人分ぐらいの仕事をしています。
若いアニメーター達がたくさんいて、仕事にうちこんでいる風景もみれて興味深いです。
これを見終わったあと思わず「もののけ姫」英語版DVDを買ってみてしまいました。
5.サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ
これもドキュメンタリーですが、フランスで制作されたテレビ番組のようです。
シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドのオートクチュールのコレクションを始動から完了までの舞台裏を追いかけています。
個人的に楽しかったのは、お針子のおばさん達です。
パリにあるシャネル本社の優雅なビルで、お針子さん達は白い上っ張り(制服)を着用し、カールがデザインした衣装を縫っています。
デザインや使用する布が急に変更されてブツブツ文句を言っているようすは「大阪のおばオバチャン」ちっくで面白い。
作業量がピークの時は、お針子さん達のチーフがチョコレートやキャンデーを差し入れし、それを食べながら布を切ったり縫ったり真夜中まで働いています。
みなさんエネルギッシュで、文句はいいつつもプロの仕事をしています。そしてキレイなマニキュアがほどこされた指にはゴールドリングがキラリ。年令に関係なくショートヘアの女性が多くてオシャレです。
サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ [DVD]
6.サムサフィ
これは1990年代のフランス映画です。
主人公のエバは個性の強い自由奔放な女の子。高校を中退してストリッパーとして働いていたところから飛び出し、自分探しの旅をします。
その旅を中断してパリへ戻ってから、とつぜん
「もう刺激はいらない」「普通の仕事」
をしたいとちょっと風変わりなオジサンが2人で暮らすアパートに住みこみの家政婦として就職します。
エバがどうみてもキャラが強烈で、見た目もアーティスティックな雰囲気を出しているのに「普通」にこだわるところが面白い。
区役所の窓口での仕事い採用された時も大喜びでグレーのスーツを着て出勤するんですがやはり全身から「普通じゃない」オーラがでまくっています。
フツーになりたいと頑張ったエバが最後にたどり着いたところは…
結末がフランスらしくて最高にオシャレでした。