わたしはアメリカの大学を卒業後、氷河期ど真ん中世代ということもあって、正社員としては就職できませんでした。
それでも約20年近く、英語力を武器に何とか生きています。
わたしが派遣や契約社員で経験してきた英語を使う仕事は下記のようなものです。
・英文事務
・社内翻訳
・社内通訳
・英語でのヘルプデスク、テクニカルサポート
・外国人オペレーターのコールセンターでスーパーバイザー
ぶっちゃけ首都圏以外のエリアでは、とにかく英語を使う仕事の求人は圧倒的に少なくて、競争率が激しい。
突き抜けた英語力(ビジネス会議で同時通訳ができる)があるか、そこそこの英語力でも若い(20代)か、そのどちらかでなければ仕事にありつくのは本当に厳しい状況です。
本記事では
英語を使って仕事をしたいけど、なかなか採用してもらえない
という悩みを持つ「そんなに若くなくて、ずば抜けた英語力もない」人むけに、私の経験から「採用されやすくなるコツ」を語ってみようと思います。
すみません、正社員としての転職にはあまり役に立たないかもなので、正社員志望の人はスルーしてくださいね!(むしろ正社員として就職するなら英語使うことにこだわるのは辞めましょう…)
1.TOEICのスコアはぜったいに必要です。受験しましょう。
履歴書に書くべきは、英検ではなくTOEICスコアです。
企業側にはもしかしすると英検準1級でもわりとスゴイし、英検1級になると超絶難しい、とわかっている人もいるかもしれません。
でも実際の求人ではTOEIC〇〇点~という感じで書かれていることがほとんど。
塾や英語学校の講師、そして特許翻訳者の募集でたまーに英検1級保持者カンゲイ、というのは見たことあります。
とはいえ英検◯級以上、とかで募集されているケースはごくごくまれと考えてください。
わたしは英検を持ってなくて、いつもTOEICの点数のみ提示していますが
「TOEICだけなの?英検は?」なんて聞かれたことはありません。
ちなみにスコアは900点超えだと、ネイティブ並みに英語ができると思われたりすることも。(実際は違う💧)
案件によって企業が求める英語レベルは違いますが、エントリーレベルの英文事務だとTOEIC600ぐらいのスコアでOKです。
ですからとにかく高得点でないといけない、という訳ではありません。ただし最低でも600から700ぐらいのスコアは取れるようにがんばりましょう。
現時点では受験料も他の英語テスト(英検、TOEFL、IELTS)と比較するとリーズナブルだし、試験日程も多いのでTOEICは定期的に受験しておくといいですよ。
2.面接で英語スキルとか留学経験だけをアピールしない
これ、割と重要です。
ひょっとして首都圏だと、本格的な外資系企業で半分以上のスタッフが外国人で、面接官もネイティブスピーカーなんてことがあるのかもしれませんが…
わたしの経験からすると、外資系でもほとんど社員は日本人だったりすることが多いです。外国法人と提携しただけの日本企業とか多いですし。
面接する人が、古い日本の会社風土をひっさげて(!?)登場することもよくあります。
というオーラを出してる感じで(笑)
ごくごく普通の日本人としての常識を持っていて、かつ英語も使えますよーという控えめなアピールが有効です。
バリバリの外資で働きたいから、そんな日本的な会社は嫌だ!と思う人がいるかもしれません。
でも、それだったら英語を使うことにこだわらず、ベンチャー企業とかで働いたほうがいいかもしれません。
もちろん企業のカラーって本当に色々なんですけど、日本に住んで働くなら英語を使う使わないにかかわらず、日本の企業風土にはなじめないとダメですよ。
アメリカンな企業で英語をぺらぺらと同僚と話しながら、アメリカンな立ち振るまいができる!といった職場をお望みならアメリカに移住するしかない(^_^;)
わたしは長期滞在していたので中身がアメリカンな部分もありますが、ぱっと見はおとなしくて控えめな感じです。(自分で言ってしまってゴメンナサイ🙇)
そして自己主張も強くなくて、上の指示にも素直に従うほうです。プライベートでは別ですが、職場で自分を強く出すことに興味がありません😊
そういった側面が、割と面接で有利に進むことが多かったので、よかったら参考にしてみてください。
3.まったく英語を使用しない職業経験もあったほうがいい
これもケースバイケースなところはあります。
ただ、とにかく英語エイゴと固執するイメージを持たれるとマイナスに働くことが多いのは確かです。
コイツ英語だけなのか…と思われるより、他のスキルにも興味がある、勉強意欲がある、という印象をもたれるほうが有利ですよ。
英語を使う仕事を希望する人は、留学やワーホリ経験がある人も多いと思います。
面接官から留学について聞かれた時には答えていいですが、自分からはあまり海外での生活について語ったりしないほうがいいですね。
もし留学どうだった?どんな苦労した?という質問が来たらもちろん答えましょう。
そのときは辛かった…という苦労話で終わらず、前向きに取り組んで何かを克服できた、といったポシティブストーリーを披露しましょう。
4.英語力をテストされる準備をしておこう
契約社員だと、書類選考のあと面接時に英語テストもあります、とか事前に予告されているのでいいのですが…
派遣社員であっても、職場見学といって連れて行かれた企業が、いきなりテストをしかけてくることがあります。
英文事務なんかだとTOEICスコアだけで納得してもらえるんですが、通訳翻訳が業務にはいってくると、どうしても試したくなるようです(~_~;)
わたしがこれまで派遣で、何の前触れも予告もなく職場見学のときにいきなりやらされたのは下記のようなことです↓
文法や語彙などの筆記テスト
日本語のビジネスメールを辞書なしで英語に翻訳する
電話で英語で色々と話をされ、それを日本語に通訳する
なんで派遣でテストされるんだ!と叫びたくなる気持ちはわかりますが、こういうのは派遣で英語使う仕事を紹介してもらう時のあるあると諦めるしかない…
逆に言えば、テストで合格ラインにいけば採用されやすいです。
ただ面接で話しただけで採用、不採用にされるよりは本当に英語力を求めているんだなぁという事がハッキリしていると前向きに受け止めましょう。
英語力が必要な仕事を希望している人なら、英語の勉強は日常的にしていると思うので、そこまで恐れる必要はありません。
ただ自分の実力よりレベルが高い英語力が必要な仕事にエントリーする場合は、真剣に準備しておいたほうがいいです。
たとえば、通訳をしたことがないのに社内通訳をどうしてもやりたい場合は通訳学校で少なくとも勉強しているか、自分でYoutubeの英語スピーチを通訳する練習はしておくべきでしょう。
翻訳もおなじく、ビジネスメールを日本語から英語へ、英語から日本語にサクッとできるようにはなっていないと厳しいと思います。
5.プラスアルファの経歴や経験をアピールする
これは3の「英語を使用しない職業経験もあったほうがいい」とかぶるんですが、英語を使った仕事の求人を長年にわたって探し求めてきた経験から強く感じていることです。
英文事務ならマイクロソフトのOfficeが上級レベルで使えるのはポイント高い。エクセルならVlookup関数とかピボットテーブル、マクロとか。
英文事務は高い英語力は必要なくて、事務スキルのほうが重要だったりしますから。
簿記や貿易事務、ITネットワークやプログラミングとかもいいですね。英文会計がわかる人、とかネットワークやプログラム経験が少しでもある人向け英語を使う仕事の求人は割と需要がある。
イラストレーターやフォトショップなどWebオペレーターレベルのスキルもわりと使える。
たとえばメーカーは製品カタログって必ず制作しますよね。そこでDTPやWebのスキルが必要な仕事が大量に発生します。
で、海外に製品を展開する場合は必ず英語版も制作されます。カタログの翻訳はネイティブスピーカーに外注されたりした後、英語のカタログを編集するという手間のかかる仕事があるんです。
英語スキル+イラレやフォトショップ操作経験、というのがその時使えます。この英語カタログや取扱説明書などの編集関連の求人は比較的よく見かけます。
そしてカスタマーサポートやヘルプデスク経験は意外と受けが良い。
ちなみに私はエントリーレベルの英文事務で派遣された先で、幸運にも翻訳や通訳の業務を経験させてもらいました。
その後は、その経験をタテに通訳翻訳もできる!とさほど高度なレベルではできない段階からアピールすることでレベルアップしていくよう頑張ったんですね。
ところが英語を全く使わないコールセンターのテクニカルサポート経験が、次の外国人オペレーターのコールセンターで管理者(スーパーバイザー)の仕事につながるということがありました。
そして今回また転職したんですが、やはりコールセンター経験を評価されて採用されました。カスタマーサポートやヘルプデスクといった経験は意外と英語と相性がいいかもです。
特に最近は対応するお客様が日本人であっても、オペレーションを担当しているのが海外企業、というケースが増えてきているんです。
問題解決のため、エスカレするにしても報告書を出すにしても、英語の運用能力が必要になってくる。なぜなら運営しているのが日本語の通じない海外企業だからですね。
という訳で、英語を使う仕事といっても時代とともに必要とされる分野も変わってくるし、新しい職業も生まれてきます。
英語を使う仕事をしてみたい、という人は
・まず英語にあまりこだわりすぎない
・日本特有の企業文化を毛嫌いしない
・色んなスキルや知識に興味を持ってチャンスがあれば経験を積む
ことを意識してみると採用されるチャンスが増えるかもしれません。