タイトルでネイティブ発音をめざそうなどとブチアゲておいてあれなんですが普通に中学から英語の勉強をスタートした人がネイティブスピーカーのような発音ができるようになれるかは微妙なところです。
ただ日本人が英語の発音を練習するにあたっては、限りなくネィティブ発音に近いところまで到達するのを目標にするべきでしょう。
もしこれまで発音の勉強を全くしたことがないならば下記の順番で練習を積み上げていくのがベストです。
1.基本の発音記号、口の開け方や舌の位置などを一通りマスター
2.日本人のための英語発音メソッドに挑戦
3.リズムとイントネーションを体得
4.声の響かせ方の研究
ちなみに1から3番についてはガンガン練習していけば習得できるんですが、4番目の声の響かせ方、というのが日本人にとって一番の難関です。
逆にこの声の響かせ方がネイティブのようにできれば、ほかが多少デタラメでもネイティブのように聞こえることもありえます。
では、順番にみていきましょう。
1.基本の発音記号、口の開け方や舌の位置を一通りマスター
ここは絶対にはずせないステップです。サクッとやってしまいましょう。
コツとしては、週末などを使って集中してひととおりマスターすることです。
マスターといっても完ぺきに覚えて発音できるようにならなくてもかまいません。
この段階では発音記号がだいたいわかって、口の動きや舌の位置などを正しく使い分けることで発音が変わるのを実感できればじゅうぶんです。
イチオシの教材は
「DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本」です。
この本は改定されて今はDVDが付属しています。わたしが実際に購入したときはCDのみでしたがそれでも説明や図解がシンプルでわかりやすく愛用していました。
練習するときは必ず鏡で自分の口を映して確認しながらやりましょう。
あと「英語発音入門」というサイトも有益です。ただこれだけで練習するより「英語の発音が正しくなる本」と合わせて利用したほうがいいですね。
http://kccn.konan-u.ac.jp/ilc/english/
英語発音入門
2.日本人のための英語発音メソッドに挑戦
わたしが発音をよくするために実際にトライしたメソッドは下記の3つです。
・ハミングバード発音スクール「ハミング8メソッド」DVD教材
・「UDA式30音トレーニング」 DVD教材
・「英語耳」 CDつき教材
熱心に取り組んでいたのはもう10年以上まえですが、3つとも今も現役で活躍している教材です。やはり良いものは長く生き残れるんでしょうね。
個人的には「英語耳」は1番目のステップで紹介した「英語の発音が正しくなる本」を
ひととおりやった後には必要ないかなと思いました。ほとんど内容が重複しているためです。
いちばんのお気に入りが「ハミング8メソッド」です。
https://www.humming.jp/wte/text/
ハミング発音スクール公式サイト
これはDVD3枚組でかなりボリュームがありますが、息の出しかたや舌の動かしかた、口のかたちなどをひとつひとつ具体的に指導してもらえて本当にすばらしい。
今でも鮮明に覚えています。「スプーン体操」という舌の真ん中をへこませて口の中に空間を作るという練習で、できるようになった時に確かに自分の英語の音が変化しました。
一部批判でハミングバードで指導される口の形が「大げさすぎる」というものがあります。
「実際のネイティブスピーカーはそんなタコみたいな口のかたちをつくらず発音してる。もっと自然な口のかたちだ、舌もそんなに動かさない!」とかですね。
いいえ、そんなことありませんよ。海外ドラマをみているとネィティブスピーカーさんたちが思いっきりタコの口してるのをよくみかけます。舌を前歯の下からのぞかせて
「ざぁあーっつ(That’s)」とか言ってます。
ネィティブでも人によって差があるようであまり唇や舌を動かさずに発音している人も確かにいます。ただ口のかたちや舌の動かしかたで音が変わってくるのは事実なので、最初は大げさなくらいに口や舌を動かして練習するのがいいでしょう。
この教材はスクールのHPで確認しても値段がわかりませんでした…(書いていなかった) わたしが購入した頃についていなかったCD2枚組と、実践テキストがついているのでたぶん高くなっているのでしょう。ウロ覚えで申し訳ないですが当時1万から2万円ぐらいだったはずです。
Youtubeにチャンネル開設されているようなので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。メソッドの特徴がわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Btrtmoa7gq0
「UDA式30音トレーニング」は、先に紹介したハミング8メソッドとは真逆のアプローチを取っています。
口の形や舌の位置を細かく指導するのではなく、どちらかといえば「フィーリング」でネィティブ発音をモノにしようというメソッドですね。
日系アメリカ人のAmyさんという可愛い人がメインで、色んな音を発音してくれてそれをひたすらマネしていく感じでした。
これはモノマネ上手な人にはいいかもしれません。ハミングのように手とり足取りではないですが、あまり細かく口や舌の動きを指導されたくない人には向いていると思います。
公式サイトでDVDのレッスンの一部を視聴できます。
UDA式30音でマスターする英会話 公式サイト
3.リズムとイントネーションを体得
わたしは
「Longman Children’s Picture Dictionary」 と
「GrammarChantz」
の2冊をやりましたが、楽しく練習できるのでオススメです。
Longman Children's Picture Dictionary with CDs: With Songs and Chants
どちらも発音練習のための教材ではありませんが、効果がありました。
Picture Dictionaryはネィティブの子供向けCD付き教材です。アルファベットや数字、動物やモノの名前などひとつひとつ丁寧に発音してくれるので発音練習にもいいですよ。
リズムとイントネーションについては歌とチャンツがついているので、一緒に歌ったりチャンツを発声するとコツをつかめます。歌うのはちょっと…という人はチャンツだけでも効果絶大です。
GrammarChantzは、チャンツで文法をマスターしようという画期的な教材。わたしは文法の勉強目的では使用しませんでした。
とにかくチャンツがラップ音楽のようにノリがいいのでCDにあわせて一緒にするだけで
気持ちよくリズムが身につきます。
なんと現在(2019年7月31日)Youtubeで一部が聴けるようです↓便利な時代ですね!
https://www.youtube.com/watch?v=dT3kIBxmSBI
4.声の響かせ方の研究
問題はここです。ネイティブスピーカーの発音で何が日本人と違うかって、とにかく声の響き方だと思うんです。
「一体どこから声出してるんだろう」「体のどのあたりであんなに声を響かせているんだろう」と思ったことはありませんか?
あと人によってはものすごく鼻にかかってる感じ、あるいは喉の奥から声が出てくる感じもします。
10代前半までに海外に滞在した帰国子女は、この声の響かせ方がネイティブっぽくできる人が多いですね。
これについては普通の日本人が理論的なトレーニングでできるようになるか疑問を持っています。
参考までに教材をあげるとすれば
「英語喉」です。
わたしはハミングと30音で真剣にトレーニングを継続したあと、発音への情熱が冷めた段階でこの本と出会いました。
そのため最初のセクションをサラッとやっただけなんですが、英語の発音の練習法としては独特です。
喉発音という喉に響かせることにとにかくフォーカスして、従来の口のかたちや舌の位置をまなぶメソッドには否定的です。
わたしとしては、ハミングで大げさなくらいの口や舌の動きを練習したおかげで発音がかなり良くなったので喉で発音できさえすればいいという考え方には賛成できません。
アマゾンレビューをみてもらえばわかると思いますが、内容は難しいです。「喉にブレーキがかかっている」とかイマイチどういうことなのかつかみにくいんです。
ただこの本がうたっているメソッドを最後までやりとげれば、声の響き方を英語らしくすることができるようになるかもしれません。
最後に、発音がよくなるとメリットとは
間違いなくリスニング力があがります。
よく「自分が発音できない音は聞き取れない」ということが言われますがそれは本当です。
実は発音が悪かった時代のリスニングテストのスコアはわりと良かったほうです。
でも今考えるとVとBやRとLの区別はつかなくても「文脈からの推測」をしていたからでしょう。
たとえば「village」という単語も「billage」とほんとうは聞こえていて、そんな単語を知らないから頭の中で→villageと自動変換されていたんだと思います。
発音を矯正したあとは、Vが発音されるときに「バイブレーション」を感じるようになり、驚きました。ネイティブは本当にVを唇を震わせて発音してるんだなぁと。
これは、自分が唇を震わせてVを発音できるようになって初めて認識できたことです。
そしてその後はドラマをみているときなど、ネイティブスピーカーの話す英語の摩擦音や破裂音やバイブレーションを耳が鋭くとらえるようになりました。
4.の声の響かせ方をマスターできなくても、ここまできたらもう英語上級者として胸をはってもいいのではないでしょうか。
最近は発音矯正のスクールもたくさんあるようですが、独学でも大丈夫ですよ。
本記事を参考にしてもらえたら幸いです。