わたしは英文法の勉強が昔から本当に嫌いでした。
↓みたいな文法問題集の問題は読んだだけでウンザリしてヤル気ゼロでした。
・下記の語句を並べかえて文を完成させなさい
・各文のカッコ内の語を必要ならば語を補って適切な形に直しなさい
・次の文を指示に従って書きかえなさい
・2文がほぼ同じ意味になるように空所を適当な語数の語句でうめなさい
こんな感じの命令されると何というか英語の勉強がんばるぞーという気がなくなるんですよね。
あーうっとおしい、こんなのやりたくない…と舌打ちして問題集を放りだしてしまうことの繰り返しでした。
誤解しないでいただきたいのですが、上記のような文法問題をガッツリやるのはとてもいいことです。苦痛を感じない人はやるべきだと思います。
というのも文法問題集を繰り返しやることによって英文法をマスターするのが、本当は王道の方法だからです。
でもどうしてもそれは無理!イヤ!というわたしのような人もいると思うので、そんな人達にはぜひとも
「英文を読めるようになること」
を目標にした英文法の勉強をオススメしたいです。
「英文を読めるようになること」を目標にする理由
英文が読める=英文法がわかっているということだからです。
文法用語を暗記できていなくても、語句の並べかえや穴埋め問題をしていなくても英文を正確に読めているならいいんです。
何のために文法の勉強をするのか、ということを考えてみましょう。
文法がわからないと英文を正確に理解できません。それゆえ英文法が身についてなくて単語の意味だけ知っている人は、デタラメに単語をつなげて自分の想像力にまかせた誤訳をしてしまいます。
逆にいうと英文を正確に理解できる、きちんと読める人は英文法をわかっているということになります。
このことから文法問題集の典型的な問題をマスターすることを重視せずに、英文を正確に読めるようになることをめざしていくのは大いにアリでしょう。
実は英語をマスターするには、英文を読めるようになることが全てといってもいいんですよ。それぐらい、読めることが最重要なんです。
ぶっちゃけ、英語が読めさえすれば語彙、リスニング、ライティング、スピーキング能力はあとからついてくると言っても過言ではありありません。
わたしが考える自然で苦痛が少ない英語を習得するステップは以下のようなものです。
1.読めるようになる(ここで文法の理解が必要) インプット
2.多読しながら語彙をふやす インプット
3.リスニングができるようになる インプット
4.多聴しながら語彙を増やす(ドラマやニュースなど) インプット
5.書けるようになる アウトプット
6.話せるようになる アウトプット
※いちから英語の勉強をする場合はまず発音をひと通り勉強しておくことが前提となります。
1番目にくるのが「読めるようになる」ということ。
ここを押さえたら2番以降のステップはさほど難しいとは思わないはず。
5番目や6番目の
「さらさらーっと英語でメールやレポート書けたらいいな」とか
「英語ペラペラになれたらなぁ」
という希望を持って英語の勉強をしている人たちにわかってもらいたいのは、何よりもまず「インプット」を集中的に、それも初期の段階でしなければいけないということです。
ある程度のインプットをやり終えて初めてアウトプットができるようになります。これは赤ちゃんが、母親や周りの大人達の話すのをじっと聞いている期間をへておもむろに言葉を発するようになるのと同じともいえるでしょう。
(ただし、赤ちゃんはインプットとして大人が話すのを聞いているだけで文法を頭に入れる必要はないという決定的な違いがあります)
つまり読めるようになった段階で多読し、大量のリスニングするというインプットを継続すれば、ライティングやスピーキングというアウトプットできる段階へ自然と移行できるのです。
で、英語を読めるようになる勉強ってどうやるの
その方法については別で2記事「社会人が中学英語を復習する」と「高校英語の復習」で詳しく解説しているのですが、まず文法参考書の例文を英語→日本語に直せるようにしていきます。やみくもに暗記するのではなく、なぜ英文が解説されている日本語の訳になるかを理解しながら進めていくことが重要です。
これらの記事ではくもんの中学英文法、All in one basic、Evergreenなどをオススメしていますが、個人的にはEvergreenの解説がわかりやすかったです。文法解説については著者との相性もあるので自分にあっているものを選ぶようにして下さいね。
文法解説を読みつつ例文を日本語に訳せるようにしていきましょう。
繰り返しになりますが例文を「なぜこの日本語訳になるのか」ということを考えながら理解するようにしていくことが重要です。
例えば
例文: Have you ever been to New York?
日本語訳: あなたはニューヨークに行ったことがありますか
解説)
have been to~は「~へ行ったことがある」という経験を表す意味と「~へ行ってきたところだ」という完了の意味になる。この例文は~へ行ったことがあるという意味。everは、この文では「これまで、今までに」という意味で解釈する
もし解説がむずかしくて「なんでこんな解釈になるの?」と思うことがあったとしても、いったん日本語訳を頭に入れてしまいましょう。そして先に進みましょう。
文法を理解するのは大切なんですが、少しでもわからないと前に進めないとか細かい疑問を全部スッキリさせたいという気持ちが強すぎるのもよくないです。
ひと通り終えたら、最低でも3-4回は繰り返しましょう。そして余力があれば例文を日本語から英語に訳せるように練習できれば最強です。
次のステップで長文をたくさん読んでいくのですが、英文解釈の問題集をする必要は特にありません
その根拠はわたしが英文解釈の参考書や問題集をやっていなくても特に困っていないからです。笑
私の英語リーディング経験について(日本の中学、高校からアメリカの大学)
中学高校時代は「ザ・昭和の英語教育」にどっぷりつかっていました。とはいえ授業はほぼ聞いていなかったので、基本的にテスト前に独学でつめ込み勉強をして平均点ぎりぎりかそれ以下くらいの成績でした。
当然ながら理解できていないところはありましたが、いきおいでゴリゴリ暗記することで乗り切っていたという感じです。
英文法の並べかえや書きかえ問題は、自分で考えず最初から正解を見てました。そして正解の英文を日本語訳にできるようにしていました。
当時、英文から日本語訳ができるようになれさえすれば大丈夫という確信があったわけではありません。ただ自分がやりやすいように勝手にアレンジして勉強していたんですね。
日本の大学は受験していないため、英文解釈の問題集もやっていません。高校卒業後に留学生用の英語テストTOEFLのための勉強を集中的にしました。
このTOEFLはTOEICと同じで選択マーク式の問題です。わたしが受験した1990年代はライティングやスピーキングがなく、文法、リーディング、リスニングだけでした。今よりずっと楽に点を取れる試験だったんです。
英語が特に好きでも得意でもなかったわたしですが、アメリカの大学に留学したいという気持ちは強くTOEFLの勉強だけは真剣にやりました。
TOEFLリーディングは内容がアカデミックで歴史や社会学、天文学などについての長文が出題されます。TOEICのリーディングよりは読んでいて面白いです。
高校卒業時は語彙力も全くなかったので、TOEFLリーディングの問題集の長文問題を不明単語の意味を調べつつじっくり読んでいきました。問題を解き、こたえが間違っていた場合は解説を読んで理解するようにしていました。
留学後は怒涛のリーディング課題で死にそうになりましたが、何とか授業にはついていけるレベルだったと思います。
それでも自分の英語力に自信があったわけではありません。頑張って参考文献を読み、レポートを書いて授業のディスカッションに神秘的な微笑みを浮かべながら参加していました。
そんなある日、ディスカッションで教授と生徒で意見がまとまらなかった事がありました。文学のクラスで難解な文章を読んでいたときに
「このwhichはここにかかっているから解釈はこうなるはず」などとあーだこーだ盛り上がっていたんです。
ネイティブスピーカーなのにわからないのかぁ、そりゃ日本人のワタシにはどう考えても無理だろうなーとマッタリしていたら
「マサミはどう思うの?」と教授が聞いてきました。
「ここの文の解釈は〇〇☓☓でいいと思う?」と。
えー、外国人のわたしに聞くかー!と衝撃をうけたのを覚えています。
「わたしはジャパニーズなので…」
「そんなこと関係ないわ、あなたのレポートを読んでるとちゃんと課題文献を理解できているじゃない!」
「…そうですかぁ、でも日本語ならどんなものでも誤読しない自信はありますけど英語はわたしにとって外国語なのでちょっと確信持っていえません」
「オーマイガッド!そうなの?」
そうだよ…ていうか何でアメリカ人のアナタたちが解釈できない文章をわたしがわかると思うのよ。と心のなかでツッコミをいれてました。
メインで勉強した文学、社会学、心理学といった科目では参考文献を読んでレポートを山ほど書かされました。レポートではじぶん独自のユニークな視点から論じることが重要なんですが、まず読んだ文献のサマリー(要約)を必ずしなければいけません。
「この〇〇という論文で著者の△△は~について~ということを主張しており…」と1~2段落(400から600ワードぐらい)を使ってサマリーをします。
こんな感じに
ここで文献を読み間違えているとヤバいというかF(落第)がついてしまいます。
わたしはレポートのサマリー部分で誤読していることを指摘されたこともなく、教授との面談の時にもリーディング、ライティングとも問題ないから心配するなとずっと言われていました。
つまり英文リーディング能力はアメリカの大学生と同等のレベルだったといえるでしょう。もちろんアメリカ人の倍以上は時間をかけて課題をやっていましたよ。
英語が読めるようになれば芋づる式に上級レベルに到達できる理由
英語を読めるようになれば聴けるようになります。(読めなければ聴いても理解できません)
英語を読んで読んで聴いて聴いてを積み重ねていると、体の中に英語のパターンが蓄積されます。
一定のボリュームで英語のパターンが蓄積されたら、書いたり話したりというステップに楽に入れます。
あとは英語を書く、話すことについて練習量あるのみです。