わたしがメインで紹介している、海外ドラマを使っての英語学習は、特に英会話が出来るようになりたいという人がターゲット。ひとつのエピソードを英文スクリプトを使ってじっくりと勉強することをオススメしています。
今回は、英会話じゃなくTOEICリスニングのスコアをとにかく上げたい!という人向けに、海外ドラマの活用方法を解説していきます。
ぶっちゃけTOEICのリスニングで高スコアを目指すなら、公式問題集でリスニング問題を集中的に解くことがイチバン効果的です。
でも、面白くないですよね?
TOEICのリスニングで話されてる内容って死ぬほど退屈じゃないですか?
海外ドラマが好きな人ならドラマを使ったほうが断然楽しめますし、やり方によってはTOEICリスニングにかなり効果的ですよ。
本記事ではTOEICリスニングに効果的なドラマでのトレーニング方法を説明していきます。
※注意点
TOEICリスニングのスコアアップを狙うべきなのは、リーディングよりリスニングのスコアが低い人です。または、リーディングとリスニングのスコアがほぼ同じ人ですね。
実際はリーディングのほうが、リスニングより低いスコアの人も多いはず。その場合はリーディングのスコアアップ対策をすれば、連動してリスニングの点数も上がります。
現時点で明らかにリーディングのスコアが低い人、例えばリーディングのスコアがリスニングより100以上低い人は、リスニング対策より語彙力をあげてリーディング対策をしたほうが早道ですよ!
ドラマの選び方
まず10話以上はある連続ドラマを選んでほしいんですが、この時に今まで視聴したことがないものにしましょう。
まっとうな(犯罪者やゾンビじゃない)成人男女がメインのもの、できれば普通の日常を描いているもの、強い訛りがないもの、が理想です。
医療や法律のように専門性が高いものは避けたほうがいいでしょう。
幅広く視聴しているドラマ好きの人なら選ぶのはさほど難しくはないと思います。いちおう私が特に「TOEICリスニング」向けにいいんじゃないかと思っているドラマをいくつかあげておきますね。
Xファイル
imdb.com
モルダーがUFOを信じていたりしますが、FBI捜査官であるモルダー&スカリーの会話は知的レベルが高く、適度に早口でユーモアもあります。
ホワイトカラー
わたしのイチオシ。詐欺師とFBI捜査官がメインとはいえ、扱っているのは知的犯罪。ほのぼの感あふれるストーリーで、アメリカの標準英語です。
ダウントン・アビー
イギリス英語のリスニングには最適です。このドラマは貴族、女中、執事たちが少し違う話し方をしているのも興味深い。
ロイヤル・ペインズ
救命医が主人公ですが、医療ものいうほど専門的な内容ではありません。どちらかといえば「ホワイトカラー」と同じくほのぼのアットホーム系です。
フレンズ
通常のドラマでの英語学習法ではオススメしていないです。わたしが個人的にあまり好きではないので。ニセの観客の笑い声がしょっちゅう入るのがわずらわしいんですよね。内輪のジョークも多いですし。でも登場人物たちが、かなりの早口でたたみかけるように話すので、リスニングの教材としては使えます。
具体的なやり方
まず第1話から5~10話ぐらいまで日本語字幕で、普通に視聴する。この間に主要キャラやストーリー展開を把握しておいてください。
シーズン後半の5~10話以降は字幕なしで視聴します。英語字幕も出さないで下さい。ネイティブスピーカーと同じ条件でのチャレンジです。
まったく字幕を出さない状態でドラマをみるのは割とストレスです(*_*;
特に字幕なしで視聴するのがはじめての人にとっては不安も大きいでしょう。
そこはグッとガマンして下さいね。全部わからなくてOKですよ👍
上級者だって字幕なしでみて100%聞き取れてるわけではありません。初級から中級の人は「クリアになんて聞き取れるわけがない。それが当たり前なのだ!」と開き直ってトライしてほしいです。
そして字幕なしでみる時に、メモを用意してストーリーの流れをザックリでいいですから書きとめておいて下さい。
例えば
「メアリーがジョンと喧嘩する。メアリーが腹をたててアパートをでる。友達のソフィーに話をきいてもらう。ソフィーはジョンが無責任だといってメアリーを慰める。」という感じで。
決してセリフをかっちりと和訳しようなんてしないでくださいね。そんなことしてたら途中でドラマを何度も停止して、セリフを書きとめ、和訳し…なんていう複雑な作業が必要になりますから。たぶん1話に5時間6時間とかかりますよ💦
コツは、あくまでドラマのストーリー展開をつかむことです。極端なことをいえば、「何がどうなったか」「誰が何をしたか」の2つだけでもいいです。
もし字幕なしだと内容が100%わからない、ストーリーの大筋もつかめないと言う人は、残念ながらまだドラマでのリスニング学習は、難しい段階なのかもしれません…^_^;
でも、ひょっとすると「自分にわかるはずないっ」とか必要以上に自分の能力を低く考えているからかもしれませんよ?「いやいや大体のところは自分にだってわかる」という気持ちでゆったりと構えてみたら違うかもしれないですよ。
字幕なしで1話ぶんを通して視聴し、ザックリメモをとったら次に日本語字幕を出してもう一度みます。
ここで字幕なしでみた時に書きとめたメモの内容が、だいたいあっているか確認します。本当に大まかでいいのでストーリーを理解できていたら大丈夫です。
セリフを正確に聞き取っているかどうかを問題にしないように!🙅
そして次のエピソードで同じことを繰り返してください。
そうです。英会話の上達をめざした学習法ではひとつのエピソードをしつこく繰りかえす必要がありました。今回紹介しているのはTOEICリスニングのためのトレーニングなので「質より量」を重視しています。
ですからシーズン後半の5から10以降、最終の20話ぐらいまでは、全て字幕なしでザックリと内容を理解して次に進んでいってくださいね。
字幕なしでドラマの内容をザックリと理解する練習の意味
リスニングが苦手な人の特徴として以下のような傾向があります。
・話されている英語を一文一文、カッチリと聞き取ろうと奮闘している。
・少しでも聞き落とすとそのあとついていけなくなる。
対策としては、
・英語の音声を聞きながら、ザックリと概要を理解する練習をする
・聞き取れない部分があっても、まるっと聞き落とした部分があっても全体の流れをとらえながら聞けるようにする
そのため「字幕もスクリプトもない、生の英語を聞き慣れる」という体験をたっぷりするのが重要なんです。
そもそも一言一句、全てを聞き取れてる人なんてほとんどいません。ネイティブスピーカーですら聞き落とすのはザラ。
たとえば日本語でドラマをみている時に全部のセリフを取れていますか?
聞き取れてるに決まってるだろ、と思われるかもしれませんが意外とそんなことないんですよ。ただ、母国語なので部分的に聞けてないことに気がつかないし、勝手に脳が言葉を補ってうまく理解できていたりします。
もちろんTOEICのリスニングでは、概要だけでなく細かいところまで聞き取れていなければ正解できない問題も多いです。
それでも、まずは全体像をつかめなければ話になりません。全体をザックリと取れるようになって初めて細かい内容まで頭に入ってくるようになるからです。
TOEIC950、リスニングスコアで495を取っている私の場合
わたしがTOEICを初めて受験したのは、アメリカの大学を卒業してからなのであたりまえですが最初からハイスコアでした。
その時のわたしのアドバンテージはとにかく
アメリカで「ナマの英語を日常的に聞いていた」ことですね。
とはいえ大学での講義、ディスカッション、ルームメイトたちの会話、どれも完璧には聞き取れていなかったと思います。
最初は全てを聞き取ろうとして、頑張ってもできずに逆上する、というストレスフルな毎日でした。一言一句わからないと、何も理解できないと思いこんでいたせいで。
そのうちに「全部聞き取れなくて何が悪い」という開き直りの精神、というか諦めのきもち?を持てるようになり、ゆったりと周りの英語に耳をすませるようになりました。
そうしたら相手の言っていることが、かなり正確につかめるようになってきたんですね。
生の英語トークにどっぷりつかり、ザックリとでもいいわ精神でリスニングしていたわたしがTOEICに挑んだ時は2001年。リスニングは
「んっ??なんだか不自然にハッキリした話しかただな…簡単すぎる!」と思いました。
TOEICは難易度が少しずつ上がり、今はリスニング問題のボリュームも大きくなって、アメリカ発音だけではなくなりました。
それでもなお、テスト調のトーンのナレーションに違いありません。
つまり、生の英語と比較するとずうううーっと簡単に感じるスピーキングなんですよ。
リーディングが低いのがお恥ずかしいです💦
ドラマの英語を素で聞くことに慣れると、TOEICリスニングなんて超カンタン
繰り返しになりますが、ここ数年でTOEICは難しくなってきていると思います。それでもドラマで話されている生のやりとりと比較すると、天と地ほどの差があることは明らかです。
「何でドラマなんだ、CNNとかBBCの英語ニュースとか、TEDやPodcastで英語のプレゼンやスピーチを聞き流せばいいじゃないか」
という疑問ににお答えします。
そのとおりです。
…エッ(゚∀゚)
ぶっちゃけドラマよりTEDやCNNニュース、BBCニュースの方が、内容はTOEIC寄りだと思います。
生の素材であれば、本当はなんでも良いです。
英語ニュース大好き、TEDでビジネスパーソンのプレゼン見るとワクワクする、という人はドラマを無理に視聴しなくていいですよ。日本語字幕ががあるとは限らないので、中上級者向けにはなりますが。
ただし先ほど説明したように、英語の字幕を表示させたり、英語スクリプトを一文一文正確に聞き取ろうとしないでください。かといってサラッと聞き流すのではなく、話されている内容の起承転結をつかめているか、メモを取って確認するようにしましょう。
いわゆる聞き流し教材ではダメな理由
まず、教材とかTOEICはネイティブスピーカーがナチュラルなスピードで話していると言われていても「生の英語」とは違います。英語学習者向けに練られた文章を「自然に聞こえるように」読んでいるわけですから。
ドラマは少なくとも一般のネイティブスピーカーが楽しむために演じているのであって、「英語学習者向け」に話しているわけではありません。
そういう意味で、ドラマはTOEICのリスニングより聞き取りづらく難易度が高いといえるんです。ドラマの英語に慣れてしまうと、TOEICのリスニングセクションで話されているスピードが「ややゆっくりめ」に感じることでしょう。
TOEIC受験でリスニングセクションが、普段聞き慣れている生の英語よりカンタンだ、と感じることはとてつもなく大きな効果をもたらします。
ドラマを字幕なしで視聴し、内容の把握をすることを繰り返している人にとってはああ、聞き取れなかったら、わからなかったらどうしよう…という心理的な負担がゼロとまでいかなくても少ないはず。
テストにおいては、この心理的負担がないだけでスコアが違ってきます。そのぐらい受験時の精神状態って、結果に影響を与えますからね。
全てを聞き取れていなくても、だいたい何が起こっているか、なにが原因で話者は怒っているのか、話者が何を求めているのか、といったところをつかめているとリスニングの勝ち組になれますよ。
わたしが最後にTOEICを受験したのは2018年10月ですが、リスニングは満点(495)でした。
うろ覚えですが、この時リスニングセクションのPart3かPart4で「オフィスで何かが故障していることを電話で同僚に話している」ような会話があったと思います。
それを聞きながら「TOEICのリスニングってよくプリンタとかPCとかFAXが故障するな。普段からちゃんとメンテしろ😂」と笑いをこらえていました。
細部を把握しようという努力もせず、何かが故障してるから、修理してもらうか代替品を手配するか、そんなとこだなと先読みして質問文を先に読んだりしていました。
わたしの場合はやはり生の英語に慣れきっているせいで、このくらい余裕を持てるわけですが、上級者でなくても精神的には「TOEICリスニングで話される不自然で、ちょっとおかしな会話を楽しもう」という構えでいいと思います。
そのためにもドラマを字幕なしで、たくさん視聴することにチャレンジしてみてくださいね。
ただし、実際に受験する2-3週間まえからは、TOEIC模試やTOEIC問題集でテスト形式に慣れるようにはしておきましょう。
Good Luck(*˘︶˘*).。.:*♡