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そういえばアメリカの大学ではグループワークが大変だった【留学体験談】

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久しぶりにアメリカ留学時代のお話です。

今はころころコロっぴーのせいで、留学するのもままならないですが、きっといつかは収束するはず。

留学希望のみなさん、明けない夜はないことを信じましょう。😊

あんがい1年後ぐらいには海外旅行も留学も、通常通りできるようになっているかもしれません。

それではアメリカの大学でのグループワークがどんな感じだったか語っていきます。

個人主義を愛するアメリカなのに意外と多い大学でのグループワーク

最初に断っておきますが、わたしは協調性ゼロ、社交性ゼロの一匹狼タイプかつ引きこもり体質。グループワークが超超超絶ニガテです。

日本で高校を卒業するまで、グループ行動をとにかく強制される学校生活に心の底から疲れてたんですけど…

英語もロクに話せない段階で渡米し、いきなり学部の授業に参加しはじめたら、グループワークざんまいなことに「うそでしょー!アメリカなのにっ!!」と驚愕しました。

心理学、社会学、文学、ジャーナリズムなどなど私がメインで履修した科目のほとんどで、グループワークがありましたね。

だいたい4-5人ぐらいのグループで、課題をやったりスモールプロジェクトを進めたりしないといけないことが多かったです。

たとえば短大(コミュニティカレッジ)で、全学生にとって必須科目であるWritten ExpressionというEnglishのクラスをとりました。このクラスではエッセイ、レポート、論文の書き方を徹底的に叩き込まれます。

アメリカ人にとっての国語のような科目なので、留学生にはかなり難易度が高い内容なんですよ。

このクラスで毎週のようにグループワークがありました。

・エッセイの書き方のルール、構成などについてレクチャーされた後、グループでディスカッションして要点をまとめる。

・エッセイのトピックを決めて、共同でリサーチを行い、結果についてディスカッション。

・みんなでアイディアをシェア。

・で、エッセイを書き上げたらグループ全員が自分のエッセイのコピーを提供して他のメンバーに読んでもらい、お互いに内容を講評する。

アメリカの大学の授業で、こんなおぞましいプロセスを踏まなければならないとは日本にいた時は考えもしませんでした。

アメリカ人学生と交流できていいじゃん!英会話もペラペラになるやん!

と思われるかもしれません。人見知りの激しい私でも他の学生とコミュニケーションを取らないとやっていけませんから、それは確かにそうなんです。

でも異国の地(!?)で外国語で外国人学生とですよ?その精神的重圧感はひとことで言い表せません。

しかもコミュニティ・カレッジというのは、ぶっちゃけそんなに優秀なアメリカ人学生はいないんです。高校であまり成績がよくなかったとか、一度社会にでてからやっぱり大学は行っとこうかなという感じで戻ってくる人とか、勉強に情熱はそんなに持っていない人が多い。

だからグループワークもどよ~っとした雰囲気で盛り上がらないんですよ。しゃーなしやってる感アリアリでした。グループで作業しても特に仲良くもならず、その時だけ淡々と一緒にやってました。

たぶん日本の大学で同じようなシチュエーションだったら、授業後にグループのメンバーと「お茶でもしようよー」となったりしませんか?

そういうのも全然なし。もうね、あからさまにグループワークを課せられてるから単位を取るためにやってるだけなんです。だから、最低限のコミュニケーションしかとってないですし、楽しくもなかった。

おまけにヤル気のないアメリカ人学生が、ボソボソと私のエッセイを読んでフィードバックをくれてもよく意味がわからない。

私にしてみれば、アメリカ人学生のエッセイなんて自分の書いたものと比較すると、どれを読んでも「すごいなぁ…」としか思えないし、批評もなかなかできない。まさに地獄。

思いあまってオフィスアワーに教授に相談したことがありました。

「わたしの英語力の問題があって、グループディスカッションではみんなの言ってることがよくわからなくて。それにエッセイやレポートを交換して読んで批評するのも難しいです。みんなのは素晴らしい出来にしかみえないから」

と言うと

「Masami、ノープロブレムよ。わたしも時々彼ら(アメリカ人学生)の言ってることがわからないの。それはあなたの問題じゃなくて、彼らの問題なの!それにエッセイも文法的にはあなたの英語は彼らよりベターなの!そんなに自分を卑下することないのよ!」

と力いっぱい励まされました。

つまり、あんまりヤル気のない勉強嫌いの学生が多いコミュニティ・カレッジ特有の現象だったようです。留学生と一部の社会人学生だけが、しっかり勉強して4年制大学への編入を目指しているという^^;

このクラス以外でも心理学や社会学でもペアやグループで色々と作業しないといけないことが多かったです。

・6才以下の幼児がコップにはいったジュースの量を認識できているか、実際に幼稚園に行って実験する。

・スーパーに行って、高いところにある品物を取れない状況を助けを求めずに、ジェスチャーだけでシグナルを出し、他人が助けてくれるかどうか実験する。

こういった面倒なことをグループでいちいちするのは本当に疲れました。毎回

ひとりでやらせてくれ…そしてレポートもひとりで書かせてくれ」と思ってました(~_~;)

クラスでのグループ分けはどのように決まるのか

これが意外にも(?)教授がグループやペアを組む相手をきっちり指定してくることがほとんどでした。自分たちでグループを作ったのは4年制大学に編入後、最終学年の時のプロジェクトぐらいですね。

これは本当に助かりました。

少なくとも日本で小学校から高校まで通っていた間は、グループで何かさせられる時は「仲の良い人とグループを作りましょう」みたいに、教師から丸投げされてましたから。

6人以上のグループを作れと指示されたけど、4人でしかグループを組めなかった時なんて教師が「何でそんなことになったんですか」と怒り爆発。

学級会を開かれて「Masamiさんのグループは4人しかいません。みなさんどうしたらいいとおもいますか」なんて公開処刑のような目にあったことも…

このような日本でのトラウマ経験があったので、アメリカの大学に通いはじめてグループワークと聞いた時は「アメリカ人学生と仲良くなれなくて、グループに入れないとか、指定された人数にならないとか煩わしいことになりそう」とウンザリしました。

それが全く心配いらず。教授がサクッとグループ分けしてくれます。いやアメリカ人てデリカシーなさげに見えても、重要なところでは配慮がいきとどいてるなぁと感心しましたよ。

もし、わたしのような陰キャラで、アメリカの大学に留学したい人は安心してほしいです。アメリカなら、ぼっちでも勉強できると勘違いしていた私ですが、グループワークざんまいでも、何とか乗り切れましたからね!

いちばん最悪だったグループワークの思い出

悪夢のような事件もありました。

コミュニティカレッジから4年制大学へ編入直後に参加したジャーナリズムのプログラムで、グループでのビデオ制作があったんです。

担当教授が決めてくれた多種多様なメンバーは私を入れて4人。白人女性2名、黒人男性1名、そしてアジアンの私です。

白人女性のうち1人は、高校卒業後に結婚して子供をもうけ、離婚してから大学に入学したという40代半ばぐらいの人でした。

コミュニティ・カレッジとは違い4年制大学の学生は、断然ヤル気があります。

最初にトピックを決めて、撮影、音声、編集などの役割分担をするところまでは、楽しく4人で取り組んでいました。

「やっぱりコミュニティカレッジの時とは違うな!」とワクワクしていたのに、役割分担のあと、次のグループミーティングの日程を決めてから嫌な流れに…(=o=;)

キャンパス内にあるアパート形式の寮に当時は住んでいたのですが、そこに電話がかかってきたのです。同じグループの40代の女性からです。彼女の名前を仮にキャシーとしておきます。

グループで決めたトピックと役割について色々考えたんだけど、どうも納得できなくて…とグチられました。

なにが納得できないのかよくわからないままに、ただ話を聞いていたら、

「ねぇ、提案があるんだけど。4人でやるんじゃなく、Masamiと私の2人でこのプロジェクトやらない?どうも私、あなた以外の2人は苦手なの。」と持ちかけられたんです。

えーっ、嫌だ!わたしはあとの2人、仮にジェーンとピーターとしておきますが、全然ニガテじゃない。若いアメリカンだけど他人に配慮できるし、知的なディスカッションもできる。

と思っても口には出せなかった。

「Masamiは若いけど日本人だから、アメリカ人学生と違って落ち着いているし、わたしとしてはキャピキャピした人たちと組むと疲れるのよねぇ。Masamiは私と2人でやるのはどう思う?」

「…うーん、別に、いいけど…」

Noと言えない日本人を地で行っていたわたし。この頃はまだアメリカ人のごとく、自分の意見をハッキリ主張することに、心理的に抵抗がありました。

「じゃぁ、わたしからジェーンとピーターには言っとくから!心配しないで。あの人達も2人できっとやりたがってるから!」と一方的にキャシーに話を進められました。

翌日、モヤモヤしたまま、でもやるしかないのでキャシーと2人でプロジェクトの打ち合わせをし、役割分担もやり直したんです。

そこから一気に怪しい雲行きになっていったんですよ。

トピック、撮影場所やインタビューの対象、撮影と編集日程など、決めないといけないことだらけ。それをキャシーが私に

「Masamiはどう思う?何をしたいの?」と質問し、

わたしが色々考えたうえでアイディアをだすと

「あっそう。それでいいわ!じゃ構想まとめといてね!」と言うだけ。

あきらか自分で考えたり調べたりする気がなさそう。嫌な予感はしたけれども、

もしかしたらこのヒトは撮影とか編集することにだけ興味があるのかも」と善意に考えてグッとガマンしていました。

しかし撮影についての打ち合わせをした時にも、同じようにキャシーが私にあれこれ質問して、〇〇で撮影しましょう、インタビューは5人ぐらいでまとめましょう、という提案をしたら、またもやアッサリと

「あっそう、じゃそういうことでよろしく!私は子供の世話もあるから、撮影には行けないけどね。」と言うではないですか。

「…あなたは何もしないの?」さすがに私もこらえ切れず、キャシーの目を見てハッキリと尋ねました。

「どういう意味?わたしたちはディスカッションをして全部決めたよね?わたしが何もしないって、あなた言いがかりにも程があるわよ」

おそらく後ろめたい気持ちがあったからこそ、一瞬で激怒したんでしょう。キャシーは怒りに満ちた表情でわたしを睨みつけ、詰め寄ってきました。

それでも私はひるまずに

「ビデオ制作のトピックも撮影場所もインタビュー対象もアイディアを出したのはわたし。キャシーは私にアイディアを出させただけ。そのうえ撮影もインタビューも私が全部するの?」と言い返しました。

そうしたら…

そうしたら…

キャシーが

✕✕✕!△△△!⚡⚡!ユーアービッチ!!!ふぁあーっく!

とわめきちらして、その場を去ったのです。٩(′д)۶

その時、撮影に必要なビデオカメラや脚立やらをレンタルして私の住んでいる寮に運び入れようとしていたところでした。キャシーに「機材をあなたのところまで運ぶのは手伝ってあげるわ」と恩着せがましく言われて。

キャシーは機材を放り出して行ってしまいました。

わたしは全ての機材をかついで運んで持って帰りました。

教授の学生への手厚いフォローが光るアメリカの大学

この最悪の経験は、半分とまで言わなくても30%ぐらいはわたしの責任ですね。

最初にキャシーから「2人でやろう」と持ちかけられた時に、「いや私は4人でやりたい」とキッパリ断ればよかったんです。

キャシーのもくろみは明らか。おとなしげな日本人留学生に全ての作業を押し付けようとして私を選んだんだろうと推測できます。

キャシーが機材を放り出して去ってからのことですが、わたしは寮にいったん戻ってからキャンパスに引き返しました。

そして担当教授のオフィスに直行。ふつうなら学生が教授のオフィスを訪ねる時は「オフィス・アワー」という決められた時間帯に行きます。

教授も1日中オフィスにいるわけではありませんから。でもその時は何も考えずに気がついたらオフィスの前まで来ていた、というぐらい動揺していました。

ドアをノックして「どうぞ」と言われて部屋にはいると、ちょうどミーティングをしていたらしく他の2人の教授が座っていました。

「いきなりすみません、ちょっと話をしていいですか」と担当教授に言うと、すぐに別室にわたしを連れて行ってくれました。

「いったいどうしたの?何かあった?」とわたしを気遣いながら、優しく声をかけてくれた教授。

当時20代前半の、若くてピュアで(!)ガラスのハートだった私は、悔しくて悲しくて泣き出してしまいました。ほとんど号泣。

いやいや、泣いていてはいけない、ミーティングの邪魔をしてるんだから早く説明しないと…と必死で話そうとする私に、教授は

「いいのよ、Masami、泣きたいだけ泣いて。落ち着いてからゆっくり説明したらいいから」と言ってくれました。

その後、話をじっくり聞いてくれた教授は

「Masamiは何も悪くないから。心配しないで、あとは私に任せてね。今日は帰ってゆっくり休んでね」と私を慰めて寮まで送ってくれました。

以下、教授が速攻やってくれたこと。

・すぐにキャシーを呼び出し、状況をヒアリング。

・オフィスにわたしを呼んで、キャシーにヒアリングした内容と、キャシーがわたしを侮辱したことを後悔し、反省していることを説明。

・わたしを元のグループに戻し、キャシーを別のグループに入れる。

・大学の留学生アドバイザーに私のケアをするよう連絡。

留学生アドバイザーにはすぐに呼ばれて、「大変な目にあったわね。アメリカ人学生もキャシーみたいな人ばかりじゃないからね!今回のことは本当に申し訳なかったと思う。教授も今後は留学生とグループワークをさせるアメリカ人学生については特に注意をはらって選ぶようにするって」と言われました。

落ちついた状態になっていた私は

「いえ、私がハッキリと自分の意見を最初から言えるようにしていれば、今回のことは避けられたと思ってます。それに教授がそこまで留学生に気を使う必要はないです。アメリカ人学生と留学生は同等ですから。」と答えました。

その後も学期末まで担当教授はたびたび私に声をかけて、何か困っていることはないかを聞いてくれたことが忘れられません。

アメリカの大学ではとにかく教授に恵まれていましたね。

ちなみに元のグループに戻った私をジェーンとピーターは優しく迎え入れてくれました。キャシーと揉めたことを説明すると、2人ともビックリして

「ワオ、信じられない。そりゃとんでもない目にあったねぇ!実はキャシーからはMasamiが僕たちと一緒にグループワークするのを嫌がってるって聞いてたんだよ。僕たちはキミとビデオ制作するのを楽しみにしてたんだけど…」とのこと。

キャシーは、私がジェーンとピーターを嫌がっていると説明してたんですね。なんて女だ💢💢

アメリカ社会の縮図が体験できるグループワーク

ようは自分のスタンスや主張は明確に表現しないと隅においやられ、時に利用されてしまうのがアメリカ社会です。

日本式の「沈黙は金」とか「奥ゆかしさ」とか「調和が大事」とか全く通用しません。

とにかく自分の主張は最初からハッキリと、明確に、相手に伝える。ある程度のところまでガマンしてから、主張するというわたしが取った言動は、最悪の結果を招くリスクがあります。

それを身を以て知ったのが大学でのグループワークでした。

最終学年に到達するころには、アメリカ人もビックリの強い自己主張をするようになった私です。

まず強さを示してないと、弱いと思われて叩き潰される…ぐらいの気持ちでした。

こんな話をすると、やはりアメリカでの生活って大変そうだと思う人もいるかもしれません。

はい、大変です。でもアメリカには日本人の良さをとてもポシティブにとらえてくれる人も多くいます。

日本人っていいよね、礼儀正しいし、他人の意見をちゃんと聞くし。アメリカ人は自分の主張ばかり言って勝手な人が多い。疲れるよ。

という感じで話しかけてくれた人もいました。日本に留学したことがあるアメリカ人は、日本では本当にリラックスできた、アメリカだといつもピリピリして他人に出し抜かれないように頑張ってたけど。と言っていました。

どちらが良いとか悪いとかではなく、日本社会とアメリカ社会は、やはり行動様式や思考回路が違うんです。

今はオンラインで外国人と気軽に話せるし、国内にいても英語ペラペラになろうと思えば可能だから、わざわざ留学しなくても…という意見があるのはわかります。

それでも、留学することで、両方の社会を経験できるのは貴重ですよと伝えたいです。わたしは英語が話せるようになったことよりも、日本とアメリカ、どちらの良さも公平に理解できるようになったことが財産だと思っています。

留学しようと考えていたみなさん、コロちゃんが収束したらぜひ留学することを再検討してくださいね。

 

 

 

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