英語力ゼロの人がオンライン英会話で勉強するのはどうなんだろう?
いきなりオンライン英会話にトライするんじゃなく、やっぱり英文法の勉強から始めないといけないのかな?
自分で文法を勉強しようとしても、つまづいてすぐ挫折してしまうんだけど。。。(T_T)
もう諦めるしかないんでしょうか?
という疑問、悩みを持つ人が初心者のなかには多いのではないかと思います。
最初に厳しいことを言ってしまうと初心者の人が英会話ペラペラになりたい、とか英語力を中上級レベルまでひきあげたいという目的で、オンライン英会話だけで勉強するのは効率が悪いです。
例えば英文法の勉強せずに、オンライン英会話でフィリピン人講師と毎日英語で話をしたとします。そもそも初心者にとっては話すことじたい難しいでしょうが、オンラインスクールで提供されている英会話のテキストにそって英会話のレッスンを進めていくことはできますよね。
1年後にはパターン化された日常会話の言い回しを使ってそれなりにスムーズに「限定された」トピックで話せるようになっているかもしれません。
ただ自由に自分の話したいことを英語で表現できるようになっているかというと微妙でしょう。英語での会話をテキストのフレーズを使って毎日続けていても英文法が頭に入っていないと、なかなか英文を自分で組み立てられるようにはならないからです。
いきなりオンライン英会話を否定するようなことを言ってしまいましたが、本記事では初心者の人がオンライン英会話を利用してレベルアップする方法について書いていきます。
というのも英文法の問題集は苦痛が大きくて取り組めない、オンライン英会話で楽しくレッスンを受けて英語力(英会話力)を伸ばしたい、という人の気持ちが痛いほどわかるからです。
この記事を書いているわたしは高校卒業後にアメリカの大学に留学して5年かけて卒業しました。
25年以上も前のことですから当時はインターネットも普及してなくてオンライン英会話もありませんでした。
英語学習記事ではとにかく「英文法が大事だ!」と力いっぱい主張している私ですが、英文法の勉強が辛いのは確か。。。
わたしは中学高校時代はテスト前だけ「チッ」と舌打ちしながら試験範囲ぶんだけ英文法のエクササイズを一通りやって、理解できないところはギュウギュウに力まかせで頭に詰め込んでました(^_^;) 成績はだいたい平均点前後といったところ。
本当に英文法が嫌いでしたからね。そして留学前に受験が必須だったTOEFLの試験対策だけして入学できるぎりぎりのスコアを取って何とかアメリカのコミュニティカレッジ(短大)に滑り込みました。
そんなわけで、自分が英語コーチとして生徒さんの英語学習を助ける立場になった時も「英文法が嫌い、やりたくない」といわれて「そうだよねぇ。。。」とついつい共感してしまうというポンコツ教師ぶり。
なんとか楽しく、かつ必要不可欠な英文法も取り入れつつ英語の勉強を進めてもらえる方法はないかと頭を悩ませる日々のなか、思いついたのがオンライン英会話を組み込むことです。
当時ある程度の成果を出した生徒さんも多かったので、もしよければ参考にしてくださいね。
初心者がオンライン英会話を効果的に活用して「本当の」英語力を身に着け、英会話もペラペラになる3つの勉強方法
※大事なのは英文法を切り捨てないこと。どんなカタチでもいいから勉強するのだ!
結局英文法がついてまわるんかいっ、とツッコまれてもいいんです。英文法を無視したイージーな勉強での弊害を考えたら、どんなに初心者から嫌われたとしても
「辛くて大変かもしれないけど…英文法は必要なんだよ」
「よーく考えよう。英文法は大事だよー」(なつかしのアフラックCM風に歌ってあげたい)
と主張し続けることをやめるつもりはありません。
では1つずつ具体的に解説していきましょう。
1.英文法の独学プラスご褒美としてのオンライン英会話を楽しむ→レッスンでの成功体験を重ねる
いちばんのオススメが1の方法です。基本的には英文法の参考書プラス問題集を使って自分で勉強します。オーソドックスに参考書を通読して練習問題をして答え合わせという流れですね。そして地味で退屈な英文法の勉強をしているご褒美としてオンライン英会話のレッスンを受講する。
別記事でも書いていますが、文法の勉強では解説や解答を読んでいて「なんだこれ意味わからーん!」となって挫折するというパターンにはまってはいけません。
英文法が理解できなくて、嫌になって辞めてしまう人に言いたいのはとにかく
完璧に最初から理解できなくてあたりまえ。わからないところがあってもガンガン前に進むべし、ということです。
今わからなくても英語の勉強を続けていれば数カ月後、1年後、あるいは数年後に
「そういうことだったのか!」
とスッキリと理解できる瞬間が来るはずなんです。これは私自身の経験から言っているんですが信じてもらえないことも多いのが辛いところ。
英文法ギライの英文法の勉強の仕方を別記事で詳しく書いているので、もしよろしければ参考にしてくださいね。
ところでご褒美としてのオンライン英会話って何だ。。。と思われるかもしれません。
文法や単語暗記といったあまり楽しくない学習とは違って、オンライン英会話のレッスンでは外国人講師と英語でコミュニケーションを取るチャンスがあります。
これって英語の勉強をしていてイチバン気持ちが盛りあがる状況ではないですか?
実際に外国人と会話のキャッチボールができた時の興奮と喜びを想像してみてください。
もちろん初心者だと最初は緊張したり、スラスラ言葉が出てこなくてイライラしたり、パニックになったりと大変だと思います。
でもこういった感情が大きく揺れ動く体験は語学の上達にとてもプラスになるんですよ。学習心理学でも検証されています。例えば歴史の年号や英単語でも怒りや楽しさやワクワクなど感情を持って覚えたほうがスムーズに暗記できるということが立証されています。
私は脳科学者ではないですが、感情をともなう学習は脳への刺激が強く記憶に残りやすいということを経験からスンナリ納得できます。
「面白くない」「退屈な」文法学習と、外国人講師とコミュニケーションを取る英会話レッスンのコンビネーションは最強です。
この1の方法ではオンライン英会話のレッスンは自分の好きなものをチョイスして楽しむことに徹しましょう。そして文法の勉強で得た知識を英会話レッスン中に使い、成功体験を積み重ねていきましょう。
2.基礎の基礎レベルの簡単な英文法の参考書を1冊手元におき、通読しつつオンライン英会話のレッスンも受ける→オンライン英会話でも文法レッスンを受ける
次に2の方法ですが、1よりは苦痛が少ないはずです。英文法をガッツリ独学するのではなく、通読用の参考書を手元においておくんです。初心者の人には英文法の学習記事でおすすめしているEvergreenという参考書がイチオシですね。
Evergreenを最初から読み物のように自分のペースで通読していくことと、オンライン英会話で英文法のレッスン受講と並行して進めていくという流れになります。
あくまで通読なのでガチガチに理解しようと頑張ったり練習問題をすべて解いたりする必要はありません。
そしてオンライン英会話は文法の教材とレッスンを提供しているところを選んでください。私の知っているところではDMM英会話、QQ English、レアジョブなどです。ほかにも探せばあると思います。逆に会話がメインで文法のレッスンは提供していないサービスもあるので注意して選択しましょう。
どのくらいのレッスン数をこなせるかにもよりますが、文法だけでなく会話や発音のレッスンも楽しみのため受講するようにしたら効果はより大きくなるでしょう。
2の方法では日本語の参考書をゆるく通読して英文法の概要をザックリと理解しながら、オンライン英会話で外国人講師とのレッスンの中でも英文法のエクササイズを一緒にやっていきます。
1のように文法参考書と問題集を独学でガリガリやる必要がないので、精神的には楽です。そのうえ外国人講師から英語で英文法を教わるので、日本人が解説する英文法とは違った視点から学ぶことが出来るという利点もありますね。
ただ、初心者がイチから英語で文法学習をするには根気がいるし時間もかかるという難点が。。。
ぶっちゃけサクッと問題集1冊やったほうが時間の節約になるんですよね。わたしが英語コーチをしていた時は英文法はとにかくやりたくない、オンライン英会話だけなら楽しくできると暴れる生徒さんにいつも言っていました。
「オンライン英会話だけでネイティブや外国人の講師と勉強する方が楽しいかもしれませんが、1回30分や60分ぐらいの対面レッスンでできることなんて限られてますよ。英文法なら淡々と自分で1冊問題集なり参考書なりやるほうがずっとずっと早いです!!」
それでも納得してもらえない生徒さんに進めていたのが3の方法です。
3. オンライン英会話で英文法をガッツリ勉強→毎回レッスン後の復習は必須
これは英文法の勉強をオンライン英会話のレッスンで完結させる、という壮大なるプラン。
個人的にこのやり方で勉強するのはオススメしませんが、自分で英文法は絶対に勉強できない!!という人が試してみるのはいいと思います。
ただし、以下のような条件があります。
・外国人講師と日本人講師が在籍している
・文法の教材とレッスンを提供している
・受け放題プランなどで、1日1回または週に5回ぐらいレッスンを受講する時間の余裕がある
・レッスン後は復習をする
先に言ったように、1レッスンでこなせる範囲はホントウに少ないです。亀の歩みになるので中学高校レベルの英文法を一通りこなすには1-3年ぐらいかかると考えてください。
通常の中学、高校の英語授業のカリキュラムも同じようなもんです。Be動詞から始まって、品詞、形容詞、過去形、過去完了、未来…とひとつずつ項目をゆっくり進めていき6年間もかけて英文法の基礎を勉強しますよね。
ゆっくりマッタリ学習を進めていくことが苦にならない人にはいいかもしれません。でも何度もいいますが基礎を網羅した問題集を1冊サクッとやるほうが効率がいいですよ。
もうひとつ問題があって、初心者の場合は日本語で英文法の説明を聞いた方がいいんです。英語での英文法の勉強は初心者の人だと「なんとなくわかる」という曖昧な理解になりやすいからです。
英語で英文法の勉強することについて、感覚をつかみたい人はYoutubeでたくさん動画があがっているのでチェックしてみましょう。(English Grammarで検索)
例として↓にひとつ紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=LH57BAO9K88
ロニー先生が外国人の生徒向けにゆっくりとした口調で英語の基礎の基礎である「be動詞」について説明している動画です。
この動画を見て「おお、何とわかりやすい!楽しい!」と思う人なら、このチャンネルの動画をすべて視聴して無料で勉強できますね(≧∇≦)b
日本人の講師のレッスンを受けるのもひとつの方法です。たとえば普段は外国人講師のレッスンを受講して、理解できないところだけ日本人講師のレッスンで疑問を解消するというやり方でもいいでしょう。
オンライン英会話で文法のレッスンを受けたら知識を定着させるため、必ず復習はしましょう。
実例を少しばかり紹介します
わたしがコーチングしていた生徒の大半が1と2の方法を選び、3のやり方でスタートした人は途中で2へ変更しました。
英語での文法レッスンを最初は楽しんでいたようですが、だんだん「かったるい」「だるい」「文法用語を調べるのが面倒」という感じになったようです。その後、日本語の参考書を通読したときに「この方がよっぽどわかりやすい」と思ったとか。
2の方法で勉強していた人も、多くが途中で英語での英文法レッスンから脱落(?)しました。日本語の参考書を通読して不明なところだけ日本人講師のレッスンで質問し、ほかは発音や英会話のレッスンを外国人講師と勉強していました。
これは必ずしも全員にあてはまるわけではありません。初心者でも英語での英文法学習が大好きで、「ネイティブ感覚が身につく」という人もいるので自分にあっていればそれでいいのではないかと思います。
ちなみに1の方法で頑張って英文法の参考書プラス問題集を仕上げ、並行してオンライン英会話レッスンを継続して1年ほど受講した人はTOEIC350ぐらいから700にまで伸びていました。
最後にー自分の経験から思うこと
わたしがアメリカに留学した時はESL(英語学校)は行かずにいきなり学部課程の授業を受けたので、英語で英文法の勉強をしたという経験はありません。
しかし、ESLに在籍している日本人留学生の多くが1年以上も勉強しているのに学部課程に入れないというのを目の当たりにして不思議に思ったものです。
なぜアメリカの英語学校で英語で授業を受けているひとたちが学部に入学出来るレベル(TOEICでいえば600から700点ぐらい)をなかなかクリアできないのかと…
オンライン英会話のレッスンを日本で受講するより、アメリカの語学学校で授業受けてる方がずっと恵まれた英語漬け環境ですよね。
なんか語学学校ってものすごく効率悪くないか?と感じました。
日本語で英文法やリーディングの問題集を3回ぐらい繰り返してやる方が早いんじゃない?と。
とはいえ英会話さえペラペラになればいいから英文法なんていらないという意見について、考え方としてアリだとも思います。英文法なんて考えるから英語をなかなか話せるようにならないんだ、英語を話すことに慣れるよう英会話のレッスンでガンガン練習すればいいんだ、というのも。
わたしは留学した時、全く話せませんでした。自己紹介すらしどろもどろの状態で、1年ぐらいはクラスでも物言わぬ置物のような存在でした。
その頃、あるパーティで英語をペラペラと喋っていた日本人に出会ったんです。アメリカ人と堂々と会話を繰り広げ、ジョークをとばし、大声で笑っていました。彼女は大学附属の語学学校の生徒でした。
すごいなぁ、語学学校にいるのにこんなに話せるのか。わたしなんて学部にいるのに…と落ち込んでいたら一緒にパーティに来ていたルームメイトに「どうしたの?」と聞かれました。
「わたしは英語をあまり話せないから。あの日本人みたいにペラペラだったらいいなぁと思って」と言ったら
「でもねMasami、あなたの英語はキレイで正確よ。彼女はスラスラ話してるけど文法がめちゃくちゃだから。」と真顔で言われました。
「えっ、そうなの?」
気づかなかった。なんか流暢にしゃべってるから文法が間違ってるとおもわなかった。
「べつに落ち込むことないよー!ペラペラ話せなくてもMasamiの話す英語は文法がちゃんとしてるからわかりやすいし。そのうちもっと話せるようになるから」と励まされました。
その後も何度となく「Masamiの話す英語は正確だ」ということをアメリカ人から言われることがありました。ネイティブスピーカーは割と人が話す英語が「文法的に正しいか、正しくないか」を気にしているという印象を受けましたね。
てゆうか英文法が大の苦手だったのに「文法的に正しい英語を話すね!」と褒められるなんてびっくりです。さらに学部の授業で提出したレポートについても「たまに冠詞(aとかthe)の間違いはあっても文法に問題のない、きれいな英文で書かれている」という評価をいただいています。
つまり何が言いたいのかというと
せっかく英語で話したり書いたりできるように勉強するならば、ネイティブスピーカーも認める「文法のしっかりした」英語をマスターしたくないですか?
文法なんか無視しても自分の言いたいこと、書きたいことを英語で表現できるかもしれない。でもそれはネイティブスピーカーからしたら
「うん、言いたいことはわかる、けど文法めちゃくちゃだな…」という感じになります。
それが悪いということではありません。文法の勉強に時間やエネルギーを注ぎたくないからブロークンでもペラペラしゃべれる方がいい人はそれでいいと思います。
あなたはどちらを選びますか?