雑記

英語の民間試験を大学入試に導入しようとした文部科学省の説明にツッコミどころが満載な件

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恥ずかしながら大学入試改革関連のニュースについて最近まで知りませんでした。

言い訳すると、教育の仕事に携わっているわけでもなく周りに大学入試を控えた人もいないので特に注意をはらっていなかったんです。

反省してます。日本の将来を担う子供の教育については関心を持っておくべきでした。

まさかこんなトンデモない方針を文科省が業者とつるんで推し進めようとしていたとは驚きあきれるばかりか、強い怒りを覚えます。

萩生田大臣の「身の丈」発言がきっかけで騒動になり、民間試験の導入が延期されたそうですが、延期じゃなくてゼッタイに廃止すべきでしょう。

文部科学省の「大学入試英語ポータルサイト」に、なぜ大学入試で民間英語試験を採用し、4技能を評価をすることを推進しているのかの説明がありましたので以下に引用しておきます。↓

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1420229.htm

グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上が課題となっています。
このため、高等学校学習指導要領では、多様な人々と、互いの考えや情報を主体的に伝え合うため、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に育成することを求めてきましたが、高校3年生の英語力は特に「話す」「書く」に課題があることが調査結果から明らかとなっています。さらに、大学においても、グローバル化時代を担う人材を育成するためには、これら英語4技能の習得は重要です。
このため、大学入試において、高等学校段階までに育成した4技能の英語力を適切に評価することが必要です。このことは、高等学校において4技能をバランスよく育成する授業改善を一層進めることにもつながります。

文部科学省公式HP 大学入試英語ポータルサイトより引用

まず冒頭からオカシイですよね。グローバル化が進展しているので英語でのコミュニケーション能力を上げなければいけない、というのが。

「多様な人と情報を伝え合う」ために英語4技能が必要とかもっともらしいこと主張してますが、そのまえに論理的に自分の考えを組み立て他人と議論できる国語力の形成をしたほうがいいでしょう。

もともとは、財界から「英語をビジネスで活用できる人材の育成を」との要望があったようです。ビジネスレベルで英語を使える人材が少ないので英語教育でなんとかしろと財界の重鎮(=老害)から発言があったらしい。

それをうけて、政府のエライ人達が「そうだな、これから外国人の労働者も大量に受け入れるし楽天みたいに英語を公用語にする企業も増やさないとな!」とまで思ったのかどうかわかりませんが…

グローバル化ってそもそも何だよというのは横においとくとしても、日本でのビジネス活動において日本人が英語を使えないとダメだという理由がわからない。

「英語が使える人がいないせいで困っている、不利益がでている」という日本で活動している日本企業がたくさん存在するんでしょうか。もしそうなら企業名を教えてもらいたいですね。

わたしは「英語を使用」する仕事で派遣社員として働いた経験が長いです。そして日本の企業(外資系含む)で英語が必要とされるシーンなんてほんのわずかだという事を目の当たりにしてきました。

外資系企業でも同じでした。日本で活動している企業なんだから、外資系であれ英語ですべてを回しているのではなく大部分は日本語で問題ないわけです。

企業によっては外国籍のスタッフが多かったり、海外と頻繁にやり取りをするので英語使用率が高いところもあるでしょうが、ビジネスに必要な英語なんて実践できたえれば何とかなるものです。

大学入学の時点で英語が聞けて話せる状態にして、就職する頃にはペラペラになっていなければならない必然性はありません。これって申し訳ないんですが財界や政界のお偉いさんたちの勝手な願望ではないんですか。

新卒の若者は英語ペラペラでなければ。これぞグローバルスタンダードだ!などと浅はかにも考えたのではないでしょうか。

そして民間英語試験の業者や、大企業のカリスマ社長や、英語試験対策の名物講師などがその「浅はかで勝手な願望」にのっかって

「中学高校で英語4技能を身につけるべき」

「4技能が身についたか判定するには民間英語試験を活用しよう」

という道筋をつくったんでしょう。

今回は延期になりましたが、民間英語試験での入試が実施されるようになれば恩恵がたんまりあるんでしょうね。

そもそも中学高校の6年間だけで英語の4技能をバランス良く身につける必要はない

学校で学ぶ教科って英語が全てではないんですよ?

もっと重視しなければいけないのは母国語で他人の見解を正しく解釈して議論できる能力を養うための国語や、科学や数学といった理系科目でしょう。

週に数時間の授業を受けてその課題をこなすだけなのに、大学入試までに文法やリーディングだけでなくスピーキングやリスニングができるようになりましょうなんて、どだい無茶な話です。

なんで中学高校の6年間という限られた期間に4技能の教育を施し、かつ大学入試でテストしなければならないのか。(そういえば現在は英語教育は小学校からスタートしてるんでしたっけ…?)

エイゴ、エイゴ、とにかくエイゴだと推し進めている人たちはぶっちゃけ日本の国益や若者の未来なんて考えていないと思います。

エイゴ産業でひともうけを企む人たちを疑ってかかるべきでしょう。

英語の民間試験導入が延期されて、カリスマ英語講師が緊急インタビューで下記のように現場の先生向けに熱弁しています。

一生懸命、4技能を教えようと努力されてきた先生は、たいへん困惑されているのではないでしょうか。しかし、4技能を指導することにはほとんどの人は異議をもたないでしょうし、国も4技能評価自体については実現に向けて努力すると明言しています。

今回の延期騒動で、「やっぱり2技能、3技能だけ勉強していればいいんだ」と後退するのではなく、今後も4技能の指導を研究していってほしいと思います。やはり時代に即した英語力が身につけることが重要だと思います。

https://gotcha.alc.co.jp/entry/20191125-interview

GOTCHA! より引用

4技能を教えないことは「後退」で、今後も何が何でも4技能を指導していかなければ「時代に即した」英語力が身につかないと断定していますね。

リーディング、構文、文法などをしっかり勉強するのは「時代にあっていない」ということを既成事実にして、「リスニング、スピーキング」もやらないとマズイぞというプレッシャーを現場の先生たちにかけている感じがします。

そりゃあ高校卒業時点でエイゴがペラペラ、レポートも書ける、文学作品も読める、映画やドラマも聞き取れるなんて実現できることが悪いとは言いませんよ。

もし週に15時間から20時間を英語教育にかけられるのであれば、可能なことです。

でも中学高校でそこまで英語力に重点をおく必然性なんてどこにもありません。

英語だけに時間を割くわけにはいかないからです。

4技能を教えようとしていた現場の先生は困惑されているかもしれないと言っていますが、どちらかといえば “4技能もどうやって限られた時間数で教えればいいんだ”と途方にくれている人の方が多いのではないでしょうか。

文科省は何も知らずに無茶なことをいうな…と。わたしが中学や高校の英語教師ならそう思います。

4技能をテストする必要はなし。文法とリーディング力さえあれば必ず話せるようになります。

英語学習法の記事でも繰り返し主張しています。

しつこいようですが英語を読むことができれば書く力もあとからついてきます。

そして読み書きできれば、リスニングやスピーキングは練習を積むことで確実にできるようになります。

逆に文法やリーディングができない人がリスニングやスピーキングをしてもできるようにはなりません。

語学をマスターするうえで、まず文法をひと通り学び、構文や解釈に取り組むというのは真っ当なプロセスです。

基礎の文法、構文、リーディング力を着実に大学までに身につけておき、余裕があればリスニングやスピーキングも取り入れるというオーソドックスな日本の英語教育に問題なんてありません。

やたらリスニング、スピーキングを重視せよとか日本人は英語の勉強をガリガリやっているのに話せないのは恥ずかしいことだという主張にはあまり耳をかさないほうがいいですよ。

英語の4技能をとにかく同時に身につけるべきだ、日本人の英語は読み書き重視でよくない、グローバル社会では話せなければならないという呪文のように繰り返される戯言にはだまされないようにしましょう。

最後に-12月3日の共同通信の記事を読んで思うこと

「国立大は非積極的」と文科省 英語民間試験の利用見送りで

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191203-00000060-kyodonews-pol

国立大学の多くが民間試験の利用をやめることになったことについて、文科省の大臣が「非積極的だなと思った」とコメントしたらしいですが本当にこう言ったんでしょうか。

非積極的だなんて言葉を平然と使ったのなら、やはり英語教育ウンヌンより国語教育の重要性を「積極的に」考えていただきたいものです。

もう若くはない政治家や官僚といった方々が日本語をうまく使いこなせていないのですからね。

受験生は英語コンプレックスをかかえたお偉いさんたちのオモチャではありません。

受験生は教育産業に利益をもたらす為の道具ではありません。

日本の未来をつくる若者の教育について、政府機関や民間教育業者がからむ事を今後は法律で禁止すべきです。

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